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沈没船が教える世界史 (メディアファクトリー新書)沈没船が教える世界史 (メディアファクトリー新書)
著者:ランドール・ササキ
メディアファクトリー(2010-12-21)
販売元:Amazon.co.jp
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目次

  • 序章 漁師たちの発見
  • 第1章 大航海時代とカリブの海賊
    • 1ポルトガルの栄光と衰退
    • 2太陽の沈まぬ国スペイン
    • 3オランダ、イギリスの台頭とカリブの海賊
  • 第2章 ヨーロッパを作った船たち
  • 第3章 沈没船が塗り替えるアジアの歴史
    • 1中国の沈没船史
    • 2元寇終焉の地・鷹島の海底遺跡
    • 3ベトナムのモンゴル艦隊を追え!
  • 第4章 沈没船発掘マニュアル
  • 第5章 新しい真実を探して
  • おわりに 海を愛するすべての人へ


成毛眞さんが紹介し、その後、naichiさんから直接本のキュレーター勉強会二軍キャンプで紹介を受けていたので読んでみることにした。歴史大好きかつ探検大好きな私にはたまらない一冊となった。


著者ランドール・ササキ氏は「水中考古学」を紹介するために本書を執筆したとのこと。ササキ氏の師匠ジョージ・バス博士が1960年トルコの海に潜り、紀元前1200年ごろの沈没船を探査するまで、沈没船は考古学の対象外であった。わずか50年の間に水中考古学は開花した。


水中は大気中と違い酸素が極端に少ないため、地上の遺跡と比べると痛みが少ない。有機物でさえそのままの状態で保存されるため、当時何を食べられていたかの物的証拠になる。本書の中では、1606年に沈没したポルトガル船ペッパーレック号から大量の香辛料が発見された模様が描かれている。大航海時代、航海の動機は香辛料とされていた。しかし当時の船や当時の香辛料が残っているわけではなく、あくまでも「記録」として残されているに過ぎない。それがペッパーレック号によって物的証拠として立証されたことになる。


時には船ごと陸揚げされる。もちろん、大気中にさらされた途端、酸化が始まるので、放置しておくと崩れ去ってしまう。セルロースを注入したりコーティング剤を散布するなどして、腐敗・崩壊を防止するわけだが、これがとてつもなく長時間かかる。1982年に陸揚げされたメリー・ローズ号は、2010年現在でまだ処理が終わっていないこと。水中考古学とは並々ならぬ努力が必要になる。


大航海時代や紀元前後の沈没船が現代に蘇る。ちょうど映画『タイタニック』が大西洋を航行しているように。実際にそれらの船をこの眼で見てみたいものである。


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ほかの人の書評を読んでしまうと、自分の書評にバイアスがかかってしまう恐れがあるため、ほかの人の書評を読まずに書いた。これから他の人の書評を読んでみる(3月21日 10:00)



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