Ferrari Enzo / motoyen クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 2.1 日本 ライセンスの下に提供されています。


人生を決めた15分 創造の1/10000
奥山 清行
武田ランダムハウスジャパン ( 2008-05-24 )
ISBN: 9784270003466


「コミュニケーションとしてのデザイン力」を身に付けようと思い、最近、デザイン関係の本をよく読んでいる。


そこで今回手に取ったのが、日本を代表するデザイナーである奥山清行氏の本書。豪華にフルカラーで、奥山清行氏がデザインした自動車やインテリア、メガネ、建物など、ふんだんに挿絵が挿入されている。

目次

  • 第1章(DILEMMA) 迷ったら、やれ
  • 第2章(CHALLENGE) やらないよりは、失敗しろ
  • 第3章(ENDEAVOR) 好きなら、極めろ
  • 第4章(IMAGINATION) 想像力を味方につけろ
  • 第5章(EXPRESSION) メッセージを伝えろ
  • 第6章(COMMUNICATION) "闘議"から始めろ
  • 第7章(CONFIDENCE) 信じればこそ
  • 第8章(PROFESSIONAL) 未来の顧客のために創造する
  • 第9章(JAPANOLOGY) 日本人の感性を知りつくせ
  • 第10章(YOURSELF) 自分の心に聞け


本書からは奥山氏の人となりやフィロソフィーが、これでもかと溢れている。奥山氏によれば、デザインとは、製品に単なる「皮を被せるだけの仕事」ではなく、「基本設計から戦略や業界構造にメスを入れ」たり「アーキテクチャーや枠作り」を行ったりすること。


BMWやアウディ、また彼が所属したポルシェやピニンファリーナ(そこでフェラーリやマセラッティを手掛ける)にあって、日本の自動車メーカーにないもの。それは、自社製品に対するこだわり・フィロソフィー・ビジョンだと一般的によく言われる。奥山氏の以下の言葉にもよく表れている。

(日本企業は)まだ方向性も決まっていないうちに「とにかく調べよう」と(市場)調査をする。(欧州企業は)まず自分たちの作りたいもの、作れるものを確認し、プロダクトの方向性を決める。


この欧州企業と日本企業の彼我の差の原因はどこにあるのだろうか?


それは仕事に臨んでいる者がビジョンやフィロソフィーを持って臨んでいるか?と奥山氏は断じる。ビジョンやフィロソフィーを持つべきは、経営者だけではない。現場の人間こそがビジョンやフィロソフィーを持ち、語るべきであり、日本企業の現場の人間にはビジョンがないと奥山氏は痛烈に批判する。その一つ一つの言葉が胸に突き刺さる。

日本のホワイトカラー・管理職は世界最低だと僕は思っている。

現場の知識も持ち、広い視野でマーケットを眺められる人間が育っていない。

現場の人間こそビジョンを持て。


そこで働く者が自分たちのビジョンに則り作りたいものを作る欧州企業。自分のビジョンがなく、売れるものを作ろうとする日本企業。


私も『パーソナルメディア戦略』において、自己確立の必要性を説いた。私の周囲にも「自社のビジョンがない」と嘆く人が多い。しかし、ビジョンがないのは、企業ではない。ビジョンがないのは「あなた」ではないだろうか。『パーソナルメディア戦略』では、「自分」というものがなく企業に寄りかかった仕事の姿勢は、いづれ企業も自分も滅ぼすことになることを論じた。期せずして、本書における奥山清行氏の数々の言説が、『パーソナルメディア戦略』の裏づけとなった。


--閑話休題--


そして、本書のもう一つのテーマは、「地方再生」にある。奥山氏は出身地山形にて「山形工房」というプロジェクトを手掛けている。


「山形工房」は、職人の集積した山形ブランドを確立し、世界に向けて情報発信するプロジェクトと言える。

伝統的な職人技術を抱えた中小企業に、下請けではない生き方を学んでもらうこと

シャッター商店街は皆ミニ東京になろうとし、郊外の大型施設はどこも似たようなもの。お互いの役割分担も何も無く、街づくりの理念もへったくれも無い。田舎の綺麗な国ほど文化度が高い。


たしかにヨーロッパ街並みは美しい。日本のように地方都市が衰退していることもない。地方に補助金をばらまく日本の政治が何も解決していないことが分かる。補助金はいわば麻薬のようなもの。補助金によって日本の地方はどんどん蝕まれていく。企業においてビジネスパーソンにこそ理念とビジョンが必要なように、地方都市においても必要なのは理念とビジョンであり、その理念とビジョンに則った行動ではないだろうか?大前研一氏も著書『やりたいことは全部やれ!』で、同様のことを述べている。

世界がその町なしにはやっていけない、というほどのポールポジションを獲得した市町村が日本にあるだろうか?新潟県燕市は数少ない事例だろう。こうした町が全国で1500くらいあるのがイタリアだ。


地方自治体の首長、議員、そこで働く人々にも、本書をぜひお薦めしたい。


本書を通じて、奥山清行氏にますます魅せられた。生き様がかっこいい。かっこよすぎる。奥山氏の生き方は目標になる。大変恐れ多いことだが、奥山氏に私淑しよう。


今日の結論


企業も地方自治体もそこで働く者はフィロソフィーとビジョンを持ち、かっこよく生きよう。



Xair KEN OKUYAMA × Inabaイベント / 246-You クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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