教育革命の兆し
数年前から始まった勉強会ブーム。しかしこの1年で変節してしまったように感じる。それまで勉強会と言えば、ギークたちによるITの勉強会が主流だった。それが、ここ1年でIT以外の分野へと休息に広がりつつある。そのきっかけは、TwitterとFacebookの普及が原因にほかならない。
ドラッカーは『ネクスト・ソサエティ』で、IT革命の実態は知識革命であり、2010年から2020年の間に、IT以外の産業、教育、医療、農業などの分野でイノベーションが起きると述べていた。
勉強会ブームと言うのは、まさに社会人の教育革命の兆しではないだろうか?
リアルに集うこと
それは、単なるITの教育や、ITツールを使った教育に留まらない。ソーシャルメディアを使うことによって、リアルに人が集いやすくなった。
これから起きようとしている教育革命において、世界でもっとも恵まれている国がある。それは日本である。日本ほど知識階級が都市部に人口集中している国は他に存在しない。東京には近郊を含めると3000万人以上が住んでおり、世界断トツである(拙著「世界最先端都市」を参照)。つまり勉強会のチャンスがそれだけ東京あるということである。
Tweetviteというアメリカ人の作ったTwitter連動イベント告知サイトがある。開催地域別のイベント件数を見ると、本家アメリカをしのぎ、日本、しかも東京がダントツの開催場所になっている。5月25日未明現在、数えているみると、アメリカ全土のイベント開催が46件に対し、東京都だけで91件もある。
新たなる人類の繁栄モード
一昨日から『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』を読み始めた。第一章で、人類と他の動物との決定的な違いについて言及している。それは交換の普及と専門化、知性の累積に他ならない。
我々人類は、ソーシャルメディアを介した人の集いによって、知性の交換・累積の新たなステップ、新たなる人類の繁栄モードに突入した。そして、この新たな繁栄モードで世界をリードしうるのは、紛れもなく日本である。
この勉強会ブームの到来は、まるで幕末を彷彿とさせる。千葉周作・定吉の千葉道場、緒方洪庵の適塾、吉田松陰の松下村塾、そして福澤諭吉の慶應義塾。これらはまさしく、時の政府(徳川幕府)や企業(藩)の枠に囚われない勉強会であった。その勉強会が志士たちを育み、後の明治維新の原動力になっていった。そしてまた、我々日本人は日本を、いや世界を変えうる原動力を手に入れたのかもしれない。
課題
しかし、いくつか解決すべき課題がある。場所の問題、個人の問題、企業の問題である。
場所の問題は、一昨日、いくつかヒントを得ることができた。キーワードは『シェア』である。シェア席、シェアオフィス、コワーキングスペース、ギークハウスなどが相当する。
個人の問題。これは『パーソナルメディア戦略』の問題で、6月2日に講義&ワールドカフェを予定している。 詳細は別の機会に譲るとして、場所の問題と個人の問題は、解決する糸口が見えている。
残される問題は、企業の問題だ。社員教育の問題、就業規則の問題、内部統制・情報セキュリティの問題など、端緒は見えてきたが、これから一つ一つ課題をクリアにしていく必要がある。
あなたは成長機会を失っていないか?
今日、まだFacebookを使っていない同僚たちに、今すぐにFacebookを使い始めないと今後大変なことになることをお伝えした。自分の身の回りを振り返ってみて、この1年の間に多くの友人たちがソーシャルメディア&勉強会によって大きく成長したのを目の当たりにしてきた。勉強会へのアクセスは、ソーシャルメディアの参加が必須である。ソーシャルメディアに参加せずに、勉強会の存在を知ることすらできない。すなわち、ソーシャルメディアに参加しなければ、成長機会を失い、勉強会に参加している人たちとぐんぐん差が開いていくことになる。
ビジネスパーソンにとって、もはやソーシャルメディアを使うか使わぬべきかの議論をする時は終わったのである。
現在、いくつかの勉強会を企画中だ。興味のある方は、ぜひ参加願いたい。
- 6月2日(木)『パーソナルメディア戦略』講義&カフェ
- 『プレゼン読書会』 日程調整中
- 1000 English Speakers(英語プレゼン大会)第三回(詳細未定)
- 今月参加済みの勉強会・・・これらは全てソーシャルメディアを通じて、その存在を知り、参加した。そして参加後も、ソーシャルメディアを通じた交流が続き、その次のステップへと繋げている。
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