まず最初に断っておくが、本書は『君主論』の翻訳本ではない。成毛眞氏が『君主論』をベースにした自己の思想を語った本である。『君主論』の翻訳本と期待してしまうと、がっかりするかもしれない。


成毛氏の思想・論説には、好き嫌いがあるかもしれない。


成毛氏の代表著書と言えば『本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!』だが、Amazonレビューを見ると賛否両論に分かれている。私自身は★★★★★のレビューを書いたのだが、6人中5人から「参考にならない」という評価を受けてしまい、私のAmazonレビュー中、最低評価となってしまった(トホホ)。


読書は自己流でよいからたくさん読め、というのが同書の要旨にもかかわらず、「各論があまりにお粗末」とか「大半は自慢話」とか「外資系で出世するのは、こういうタイプ」というレビューが高評価を受けているのを見て、一体本書を読んだ上でレビューを書いているのか、レビュー評価をしているのか、成毛氏の毒舌に惑わされ、本質を理解できていないのではないか?と首を傾げたくなってしまう。『成毛眞の超訳・君主論』についても、毒舌嫌いな人、表面的な読書しかできない人にはお薦めしない。


『君主論』は上に立つ者が読むべき本


本題に戻す。『君主論』の翻訳本ではないとはいえ、『君主論』の入門書として大変役に立つ。『君主論』自体は、古典のご多分に漏れず、難解で読みづらい。私自身も、一番最初に読もうとした時は挫折した。何度か読んでいるうちに、腹に落ちるようになった。


『君主論』は、世間一般に言われるような悪徳の書や、権謀術数の書ではない。それは『君主論』を読んだことがない者が流布した噂が広まった結果ではないかと思う。『君主論』は、群雄割拠していた15~16世紀イタリアで、弱小国フィレンチェ生まれのマキアヴェリが、君主が国を守るための“道”を説いた本である。国や組織の統治、リーダーシップの本である。人の上に立つ者が読むべき本である。


現代のあるべき君主、ダメ君主


しかし現実の政治の世界も企業の世界も、いかに「君主」が少ないことか?本書では、現代の政治家・経営者・著名人の言動から、『君主論』と照らし合わせて、あるべき君主かどうかを論じてくれているので、『君主論』を理解する一助になる。


たとえば、ビートたけしは理想的な君主である。小泉純一郎も、ジョージ・ブッシュにへつらい、中立路線を取らず米国に追随したという点では、立派な君主である。マハトマ・ガンジーは、本当はぼっちゃんであるのにも関わらず、貧乏なふりをし、「かわいそうな国インド」を演出し、世界を味方につけた点で立派な君主である。


一方で、1位ではダメですか?と中途半端路線を提唱した蓮舫、強い信念がないのに中国に擦り寄ったり沖縄県民に対していい格好をつけた鳩山由紀夫は、ダメ君主である。


成毛流『君主論』


『成毛眞の超訳・君主論』では、君主論の各テーマを、自己流に提言している。まさに成毛氏の思想である。その中で気に自らに言い聞かせたいものを、リストアップさせていただく。

  • 敗者の言い訳は誰も聞かない
  • リーダーに仮免許はない
  • チャンスはハングリーの網でつかまえろ!
  • 一日三回、「本道は何か」を考えろ
  • 人気があなたの身を守る
  • 決断力のない人間は、奴隷として生きるしかない
  • 奢られ上手になれ!
  • あなたの価値はまわりの人間で決まる


目次

  • はじめに 今こそ強いリーダーが求められる時代
  • 第1章 マキアヴェッリはビジネスマンの教師である
  • 第2章 『君主論』はこれだけ知れば大丈夫
  • 第3章 『君主論』を体得すれば人生が変わる
  • 第4章 これから頑張る人が『君主論』を読むべき理由
  • 付録 もっと知りたい人のためのブックガイド


関連リンク


  • HONZ
    成毛氏が主宰する。一昨年の12月、前身の本のキュレーター勉強会に申し込んだものの、敢えなく落選。期せずして、HONZメンバーのうちの鈴木葉月氏内藤順氏は、直接の知人です。


書評読み比べ



関連書籍



『成毛眞の超訳・君主論』の付録でいくつかの『君主論』関係の本を紹介している。上の2冊は読んでみたい。



『成毛眞の超訳・君主論』よりも、こちらのほうが毒舌を発揮している。『成毛眞の超訳・君主論』を読み、さらに成毛氏の本を読みたい人には本書がお薦め。私のレビューに「参考になった」で「はい」をしてくれると助かります。


君主論 (中公クラシックス)
マキアヴェリ
中央公論新社 ( 2001-04-10 )
ISBN: 9784121600028


一年前に読んだ『君主論』。書評はこちら↓



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