ダイアログペーパー

(画像は、3月28日Changeカフェのプレゼンテーションペーパー。

右上の天使は筆者作画。)


昨日(4月15日)、企業間フューチャーセンターのコアメンバーと今年度のプログラムについての意見交換の場を持った。ワールドカフェやフューチャーセッションの企画は、映画制作になぞらえることができるのではないだろうか?


原作者

熱い「思い」を持った人。テーマを持った人。キーワードは「共感」である。

プロデューサー

全体の企画者。裏方・事務方とも呼ぶ。予算、配役手配、会場確保、広報、ロジスティックスなど、意外とすべきことはたくさんある。もちろん、すべてを一人でこなす必要はなく、適宜役割を割り振ることになる。

脚本家

「問い」の設計者。映画の成功が脚本の良し悪しに委ねられているように、ワールドカフェ・フューチャーセッションの成否も脚本家の設計する「問い」次第といえる。

演出家(監督)

ワールドカフェ・フューチャーセッションの場の演出家。脚本家と兼ねることも多いように思う。プロデューサーと演出家は混同されがちだが、参加者に見えている部分を指揮して作りこむのが演出家である。

出演者(狭義)

狭義には講演者やファシリテーターを指す。参加者が直接見ることになるのは出演者である。できれば原作者が登場し、場の「共感」の醸成を担うとよいが、講演者やファシリテーターが担うこともできる。どのような配役を行うかは、プロデューサーや演出家による。

出演者(広義)

通常のイベントであれば参加者は受身だが、ワールドカフェやフューチャーセッションの参加者は、主体的に参加することにより、観客でありながら、その作品の中に入り込む出演者となる。主客一体となって共感が生まれれば、そのワールドカフェ・フューチャーセッションは成功と言え、参加者も「思い」を持ち帰ることになるだろう。




さて、ここでいくつかの概念もも合わせて棚卸ししておきたい。

共感

ワールドカフェやフューチャーセッションを運営する団体・コミュニティに参加するメンバーは、決して、金銭的インセンティブがあるわけではない。内発的動機によって集まっている。その際、肝心なのが「共感」である。「共感」する何かがあるからこそ、人は集まり、さらに人の心を動かすことができる。「共感」こそが重要なドライバーである。

主体性(自律性)

先ほど申したように、社外で業務外で行われているコミュニティ、ワールドカフェ・フューチャーセッションには、金銭的インセンティブがあるわけではない。これまでも、たびたび、なぜ参加するのか?参加すると何かよいことがあるのか?と質問を受けるのだけれども、残念ながら、ほとんどの場合的確に答えることができない。参加するかどうかを決めるのは、その人の本人次第である。特にワールドカフェやフューチャーセッションに参加するということは、そこで話し合われる社会課題に関心があるかどうかである。その社会課題に自ら向き合おうとするかどうかである。つまり、主体性・自律性である。主体性・自律性は、人に与えることはできない。それは自らの内面に持っているべきものである。

自己マスタリー(熟達)

すべての人が持つ必要がないのかもしれないけど、コミュニティに参加するメンバーに必要なのが自己マスタリー・熟達である。これは継続的に鍛錬することである。桑田真澄、三浦カズ等のアスリートたちの自伝を読むと、なぜこの人たちがトップアスリートになったのかがよく分かる。

関係性

一人ですべてのことをなすことはできない。場を企画・運営し、自分たちの思いを伝え、共感の輪を広めていくには、関係性構築が必要である。この「関係性」というキーワードは分かりづらい。上の3要素、共感・主体性・自己マスタリーが個人に帰属するものなら、関係性とは、二人以上の人間関係の間に醸成されるものである。単に仲が良い集団と何かを生み出す集団との違いはなんだろうか?友人に、何かお願いできるだろうか?何かお願いされたら応えてあげられるだろうか?関係性というのは相互的で相補的である。一人でなし得ないことをコミュニティで成し遂げていくためには、この良い関係性構築がなによりも必須である。




参考書籍


コミュニティが何事かを成し遂げるということは、『プロフェッショナル進化論』から体系的に学んだ。


『プロフェッショナル進化論』のスライド




「共感」という概念は『プロフェッショナル進化論』にも出てくるが、よりいっそう理解を深めるには、ダニエル・ピンクの代表的著作『ハイ・コンセプト』がいいだろう。


『ハイ・コンセプト』のスライド




『モチベーション3.0』とは内発的動機のことであるが、「自律性」「自己マスタリー」は、内発的動機の三大要素のうちの二つである。もう一つが「目的」であり、「思い」や「問題意識」と言い換えることができる。



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