絶世の美女と言われたクレオパトラ

絶世の美女と言われたクレオパトラ

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三大悪女について


私はこれから、あまり世間に類例がないだろうと思われる3人の女について、書いてみようと思います。恐らくはブログ読者のみなさんに取っても、きっと何かの参考資料となるに違いありません。


およそ、女とは、男の人生に幸福をもたらしたり、男の人生を成功にみちびいたりする存在ではありますが、時にその妖艶な色気でもって、男を惑わせ悩ませ狂わせ、破滅に導く魔性の存在でもあります。これから挙げる『痴人の愛』谷崎潤一郎(著)、『或る女』有島武郎(著)、『悪女について』有吉佐和子(著)はそのような女の物語です。


この三作品を、私は勝手ながら、「痴人三部作」あるいは「悪女三部作」と呼ばせていただくことにします。そして、登場する三人の女を「三大痴人」または「三大悪女」と呼ばせていただくことにします。


では、まず『痴人の愛』を紹介します。この本とめぐり合ったのは東京朝活読書会【テーマ:官能的な本】の回ではなかったかと記憶しています。私はこの回には参加していなかったのですが、この回でどなたかが紹介されていたのを偶然知ってしまい、そのことが本書を読むことになる悲劇の始まりでした。

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『痴人の愛』のあらすじ

痴人の愛 (新潮文庫)
谷崎 潤一郎
新潮社 ( 1947-11-12 )
ISBN: 9784101005010


時代は大正時代、関東大震災の前あたりです。28歳のエリートサラリーマン河合譲治は、カフェで給仕していた15歳のナオミを見初めます。当時のカフェというのは、お酒もふるまう場所であり、現在であればキャバクラに近い存在かもしれません。ナオミは千束(つまり吉原)の実家では不遇な生活を送っていたこともあり、譲治はナオミの実家に了解を取って、ナオミを引き取ることにしました。譲治はナオミを養育し、ナオミが16歳を過ぎたころに結婚します。


知識のほうの教育は失敗しましたが、ナオミは女としては見事に開花し、色気を増し、譲治はそんなナオミにますますほれ込んでいきます。ナオミはダンスを習い始め、いつしかナオミの周りは男友達が群がるようになります。娼家の血筋だからでしょうか、譲治の知らないところで、ナオミは男たちを誘惑し、情事を重ねていくことになります。


やがてナオミの浮気が発覚し、譲治は一度はナオミを諌めます。しかし、ますます美しくなっていくナオミには絶えず男たちが群がり、ナオミもそんな男たちとの逢瀬もやめません。再び男との密会を譲治に見つかり、譲治は勢いあまってナオミを追い出してしまいます。


しかし、譲治はすぐにそのことを後悔し、ナオミと寄りを戻せないかと勘案しはじめます。そんな折、ナオミが譲治の下に自分の荷物を引き取りに来るのですが、なぜか一度に引き取らずに、こまめに、ついには毎日譲治のところに来るようになり、やがて寝泊りもするようになります。


女の肌を見せつけられて・・・


入浴しては、譲治に自らの美しい肌を見せつけ、決して触らせようとしないナオミ。肌を露出させた衣装でダンスに行くからと、首、肩、背中、そして脇の下のむだ毛を剃ってほしいと、ナオミは譲治にねだります。それでいながら、肌には決して触れるなと言うナオミ。


ナオミの美しい肌を見せつけられながらじらされ、悶々とする譲治。ついに譲治はナオミの美しい肌の前に屈服するのです。ナオミと寄りを戻したい一心の譲治は、ナオミが男友達と遊んでも一々干渉しないことという条件を飲まされてしまいます。完全にナオミに主導権を握られ、譲治は仕事を辞め、田舎の遺産も売却し、その資金でナオミは放蕩を繰り返すていくことになります。

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『痴人の愛』についての感想


「好きな女のために人生の覚悟を決める」と言えば聞こえはいいですが、実態は、少女の白い美しい肌を前に屈服してしまった男の物語です。まことにナオミという女は、男を惑わせ悩ませ狂わせ、破滅に導く魔性の女といってよいでしょう。


なお、『痴人の愛』は、当初、朝日新聞で連載されていたとのことですが、描写が官能的過ぎたのでしょうか、朝日新聞での連載は中止となり、途中から女性誌が連載を引き継いだとのことです。


作者谷崎潤一郎は耽美派(ひたすら美を享楽する官能主義)の代表作家と言われ、『痴人の愛』はその代表作といえます。しかし、官能的とはいっても、ナオミの美しい肌を描写するシーンはありますが、直接的な性行為に及ぶシーンが描かれているわけではありません。卑猥さを取り除き、まさしく美の享楽を追及した耽美的な作品と言えます。それにしても、谷崎潤一郎というのはなんという文才でしょう。このような文章を書けることが、私の羨望でもあります。私はこの文章を公開するまで、5回も推敲を重ねざるをえませんでした。


さて、そろそろ最後にしますが、男としては、やはり、ナオミに惹かれ、焦らされ、妄想が膨らんでしまいます。男性のみなさん、ナオミのような女には気をつけてください。しかし、もし、私がナオミのような女と遭遇してしまったら、やはりその美の前に屈してしまうかもしれません。そして、女性のみなさん、くれぐれもナオミのように私を惑わさないでください。よろしくお願いします。

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ほかの谷崎潤一郎関連の記事


痴人の愛 (宝島社文庫)
谷崎 潤一郎
宝島社 ( 2016-02-19 )
ISBN: 9784800252371


日本三大悪女シリーズ


『痴人の愛』に続いて、『或る女』、『悪女について』についても書評を書く予定です。すでに下書きはしており、遂行を重ねているところです。


或る女 (新潮文庫)
有島 武郎
新潮社 ( 1995-05-16 )
ISBN: 9784101042053



女の肌を見せつけられて・・・


『賢者の愛』

2016年8月21日追記

賢者の愛
山田 詠美
中央公論新社 ( 2015-01-09 )
ISBN: 9784120046865

『痴人の愛』を引用した山田詠美のいびつな恋愛小説。




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