<目次>
  • 序 章  感染症学は植民地経営から始まった
  • 第1章  新型コロナ・パンデミックの始まり
  • 第2章  WHOなしでパンデミックは終わるのか
  • 第3章  PCR信仰と、予言の自己成就
  • 第4章  国策としてのBSL4ラボを整備せよ
  • 第5章  パンデミックの予行演習、エボラ出血熱を振り返る
  • 第6章  数奇なる運命、アビガンの素顔


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2020年現在、人類最大の迷惑者は新型コロナウイルスことCOVID-19であることに異論はないでしょう。情報が錯綜し、なかなか正確なことが分かりにくい中、『10万個の子宮』の著者村中璃子さんが本書を上梓したことで、早速読みました。


副題に「国防としての感染症」とあるとおり、感染メカニズム・症状・致死・治療・回復などを扱ったものではなく、安全保障、バイオセキュリティを扱ったものになります。情報システムの世界ではウイルス侵入防御の仕組みを「セキュリティ」と呼びますが、病原体のウイルス侵入防御も「セキュリティ」です。


ですので、ウイルスを国内に入れないという水際作戦だけでなく、抜本的治療薬がない中で国内侵入後のありとあらゆる対策が国家安全保障に関わる問題です。まさに国防問題です。


ICTの世界では、セキュリティに疑義ありとのことで、アメリカは中国のファーウェイを排除しました。一方で中国は、アメリカ製のGoogle、Facebookなどを排除しています。アメリカ vs. 中国の情報セキュリティ戦争です。同様に、COVID-19対策は、アメリカ、西洋諸国、vs. 中国(&WHO)間のバイオセキュリティ戦争と言えます。21世紀は、もはや、戦争はミサイルや核兵器ではなく、情報やバイオの分野に移行してしまったのかもしれません。


バイオセキュリティ戦争の論点

ワクチン開発競争
  • COVID-19ワクチン候補8種(2020年5月1日)は、中国4件、アメリカ2件、イギリス1件、ドイツ・中国・アメリカ連合1件。
  • ワクチン開発は中国が先行しているが、COVID-19遺伝子配列特定、治験開始のスピードから考えて、2019年8月から開発を着手していた疑いがある。
諜報活動
  • Epidemic Intelligence from Open Sources(EIOS)という人工知能を駆使した疫学情報プラットフォームがある。
  • WHOはEIOSを含めてSNS等を監視することで、未知の病気の噂を監視している。国際諜報活動である。
覇権争い
  • WHOの拠出金は、1位アメリカ、2位日本だったが、2020年5月、中国が破格の20億ドルの寄付を表明。
  • また、中国は台湾のWHOオブザーバ参加を妨害。
  • 中国の動きに対して、アメリカ・トランプ大統領がWHO脱退を表明。
極秘開発
  • 村中さんははっきりとは書かないが、COVID-19は武漢のBSL4※ラボで人工的に開発されたのではないか?と勘繰りたくなる。BSL4の病原体の治療薬開発をしていて、誤って漏洩したのかもしれない。なお、誤解されるといけないので念のためことわっておくと、致死率が低く、容易にヒトーヒト感染してしまうCOVID-19は生物兵器には向かないので、生物兵器として開発されていたということではなさそう。
軍の関与
  • 研究開発や諜報活動には、保健当局のみならず、国防当局も拠出。
  • エボラ出血熱のウイルス採取には軍が出動。
社会崩壊
  • パンデミックは医療崩壊のみならず社会崩壊へつながりかねない。
※BSL4
  • バイオセーフティレベル4:最もリスクの高い病原体(エボラ出血熱等)を取り扱うことのできる施設。中国では武漢のBSL4ラボが2018年に稼働。日本には国立感染症研究所村山庁舎内にあり、また長崎大学で建設中。病原体を完全に封じ込めるため減圧施設になっている。日本でエボラ出血熱感染者が出てしまった場合、入院はBSL3でも可だが、一度感染が確定すると、検体はBSL4でしか扱えず、退院判定ができない。つまりBSL4施設が稼働しないと、エボラ出血熱に感染した場合、入院はできるが退院ができなかった。


このように、村中璃子さんは、科学的観点だけでなく、社会学や安全保障という観点で医学・薬学を論ずることのできる稀有な存在だと思います。できれば、医師・薬剤師の資格をもったサイエンスライターの方がもっと出てきてほしいものです。


日本学術会議について

バイオセキュリティは安全保障・国防問題です。欧米では国防省が研究開発費を助成し、ウイルス採取に軍が動きます。日本学術会議は軍事研究禁止方針を掲げていますが、その方針を掲げている限りは、バイオセキュリティにも関与しないとも読めてしまい、方針を掲げ続けることには無理があるように感じます。


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COVID-19
PIRO4DによるPixabayからの画像


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