西暦313年、キリスト教はローマ帝国公認になった。

ローマ帝国

画像出典:Wikipedia license:CC BY-SA 3.0


キリスト教とローマ帝国
ロドニー・スターク
新教出版社 ( 2014-09-19 )
ISBN: 9784400227236

<目次>
  • はじめに
  • 第一章 信者の増加と改宗
  • 第二章 初期キリスト教の階級基盤
  • 第三章 ユダヤ人宣教は成功した
  • 第四章 疫病・ネットワーク・改宗
  • 第五章 信者の増加と女性の役割
  • 第六章 都市帝国のキリスト教化 数量的アプローチ
  • 第七章 都市の混乱と危機 アンティオキアの場合
  • 第八章 殉教者 合理的選択としての自己犠牲
  • 第九章 時期と組織
  • 第十章 徳についての小論
  • 解説


本書は4月23日の朝活読書サロンで紹介しました。



読書のきっかけ


なかなか骨太のハードカバーでした。本書を読んでいたので、読書スピードがペースダウンしました。


さて、なぜこの本を手に取ったかですが・・・・昨年後半あたりからのもっぱらの興味は宗教です。宗教といっても、特にイスラムです。



イスラムとは何であるか、人に説明できる程度にはなりました。そうすると、次に沸いてきた疑問はキリスト教のルーツです。


イスラムの始祖ムハンマドが632年に亡くなると、イスラム勢力は、641年までにキリスト教国であるビザンツ帝国を現在のイラク・シリア・レバノン・イスラエル・パレスチナ・エジプトから追い出しました。そして651年にはササン朝ペルシャも滅ぼし、後のイスラム帝国の版図を獲得します。それが「ジハード」です。


イスラムは快進撃で始まったのに対し、キリスト教は??


イエス・キリストが没したのは西暦28年。ローマ帝国のコンスタンティヌス1世がキリスト教を公認するのが313年です。その間約300年、キリスト教は帝国非公認の宗教でした。一体どのような過程を経てそのような長期の熟成期間を経て普及するに至ったのかを知りたくなったわけです。


現代社会の人の営みに照らした歴史の考察


著者のロドニー・スタークは社会学者ではありますが、歴史学者ではありません。本書の中でも何度か触れられているのですが、スタークは歴史学者をどちらかというと批判しています。それは、歴史的事象にフォーカスするあまり、裏にある人間心理、人間の行動、人間関係、社会の成り立ち等への洞察が欠けていることが多いからです。


我々現代人には、人としての特徴、人間関係の特徴があります。たとえば、よく知っている人物であれば信頼するし、知らない人物であれば警戒します。知らない者同士が集まる都市では泥棒に入られないよう施錠をしますが、知っている人しかいない田舎では扉は開けっ放しです。しかし、この特徴は現代人特有なのでしょうか?時代を超えて普遍的なものでしょうか?本書では、普遍的だろうというスタンスを取っています。人間が社会的動物だと言われる以上、私も同意見です。


歴史学者は、時にこうした人間性を無視してしまいます。具体的に、キリスト教は、ある短期間に爆発的に普及したという説があります。しかしスタークはその説を全否定します。最初の300年、キリスト教人口は10年で40%ずつの割合で増加していっただろうとスタークは言います。それは、モルモン教や統一教会など、現代になって観測可能な新興宗教の広がり方とも一致しています。


宗教はソーシャルネットワーク


宗教は、人を介して広がっていきます。その広がり方は時代を超えて普遍です。広がりスピードも普遍です。


人が改宗する時に、教義に強く信じるようになって、改宗するのでしょうか?それとも、自分の周りの人に薦められてなんとなく改宗し、その後教義を信じるようになるのでしょうか?


答えは後者です。オウム真理教など日本における新興宗教の勧誘の仕方を見ても明らかです。田舎から都会に出てきたばかりの若者は狙われやすいです。そもそもまわりに友人が少ないわけですから、複数の宗教関係者で囲めば、勧誘しやすくなります。宗教というのは、典型的な社会的ネットワーク(ソーシャルネットワーク)です。


キリスト教は現代でこそメジャーな宗教ですが、1世紀から2世紀にかけては新興宗教のone of themだったのことです。さきほどの10年40%の増加率とした場合、200年ごろで20万人弱、300年ごろで600万人です。歴史のひのき舞台に現れるのは100万人を超えたであろう250年以降です。それ以前はそれほど多くの記録が残されていません。


300年かけて普及したキリスト教。わずか20年の間に北アフリカ・中東・イランまで広がったイスラム。同じ神を持つキリスト教とイスラムですが、その普及の開始はあまりに対照的でした。



書き始めたら長くなってしまいました。これでようやく1章分の説明です。

つづきはこちら↓。





↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村