<目次>
  • はじめに
  • 第1章 24億人の首都ロンドン
  • 第2章 「先進する国」イギリスの戦術
  • 第3章 エリート再生産システムとしてのオックスフォード
  • 第4章 階層分断とBrexit(EU離脱)の衝撃
  • 第5章 英国エリートの流儀
  • 第6章 日本への提言
  • おわりに


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【書評】『現役官僚の滞英日記』その1:イギリスから学ぶ : なおきのブログ


コモン・ウェルス(英連邦)

イギリス連邦
青は同君連合、ピンクは共和国、緑は独自の王制を持つ。
via イギリス連邦 - Wikipedia(license : CC BY-SA)


本書を読んで知り得たことの一つ目は、コモン・ウェルスの影響力の大きさです。24億人・52加盟国(イギリスを含めると53ヶ国)から成ります。


私はかつて、1998年から2000年まで、英連邦の一員であるシンガポールに駐在していました。華人が国民の8割弱を占めるこの国で最も使われている公用語は英語です。アメリカ英語ではなくイギリス英語です。CenterではなくCentreだし、ColorではなくColour、ElevatorではなくLiftです。他にもぱっと見ただけで分かるのは、左側通行でロータリー交差点のある道路インフラや、240Vの電源インフラなどがイギリス式であることです。また、テレビをつければBBCが放送されていました。


当時、コモン・ウェルスの中にいたはずなのに、その影響力の大きさを甘く見ていました。以下、私なりの考察です(本書に書かれているわけではありません)。


日本人は、イギリスは、ヨーロッパの一国だと思っています。その視点に立てば、EU離脱は大変なことです。しかし、一方で、EUから離脱しても、コモン・ウェルスという緩やかな連合体を持ちます。ところがこの発想自体が、順序が逆なのではないかと気づいた次第です。


成り立ちの順序から、コモン・ウェルスが先でEUが後です。EUとの統合をこれ以上進めることは、コモン・ウェルスとの連帯に不都合が生じるのではないでしょうか。ユーロに参加しなかったことも、コモン・ウェルスにとっては不都合だからです。イギリスは、EUを捨てることはあっても、コモン・ウェルスを捨てることはない、そう本書を読んで感じました。コモン・ウェルスの影響力の大きさを見落としていたのは、このことです。


コモン・ウェルスからの学び


さて、コモン・ウェルスからの学びといっても、かつての大英帝国のような広大な植民地を持っていたわけではありませんから、そのまま真似ることもできません。現代において他国に対し政治的に影響力を行使するわけにもいきません。そこで橘さんは、世界に受け入れられている日本文化の交流が日本版コモン・ウェルスになると提唱しています。


先月開催されたNPO法人ZESDAが運営協力したSAKURA COLLECTIONは、アジアに広がりつつある日本のファッションカルチャーを日本がハブとなってアジアと連帯する試みです。アジアの若者たちが日本を目指します。ちょうど、映画人がハリウッドを目指すように。


「カネ・コネ・チエ編」へつづく。

【書評】『現役官僚の滞英日記』その3:カネ・コネ・チエ : なおきのブログ


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