<目次>
- 第1章 なぜ和解うちからリーダーシップが必要なのか
- 第2章 現実を直視する日本と日本企業と「ニッポンの課長」の命運
- 第3章 リーダーシップの条件1 論理的な思考力、合理的な判断力が不可欠である
- 第4章 リーダーシップの条件2 コミュニケーションは情に訴え根負けを誘う
- 第5章 リーダーシップの条件3 実戦で役立つ戦略・組織論を押さえる
- 第6章 リーダーシップの条件4 評価し、評価されることの本質を知る
「選択と集中」は失敗する。
前項では、意思決定の場面で論理性から逃げ情に流されると失敗するという話でした。そのあり様を別の角度で述べた言葉が「選択と集中」という言葉だと著者は言います。
「選択と集中」という言葉がある。ただし私は、日本語的に卑怯な表現だと思う。同義語反復で、2つ並べる意味がない。本来は「捨象と集中」でなければならないはずだ。
あぁ、なるほど。たしかに言われてみれば、同義語反復です。
「事業破棄」、「事業撤退」というのは、言うに易し行うに難し。
事業を始める判断は楽しい。しかし、事業を捨てる判断は苦しい。
苦しいことを言い出せないと、引き際に引けず、ずるずると傷口を広げかねません。
あぁ~~!なんということだ。
『失敗の本質』に描かれた太平洋戦争敗戦のパターンと同じではありませんか?
日本軍は「撤退」を「転進」と言って、ごまかしました。
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冨山和彦氏著書の書評シリーズ
- 『会社は頭から腐る』(読まない書評)
- 【読書メモ】「自助」・「共助」・「公助」~石破茂・冨山和彦・鷲田清一・福澤諭吉らの主張とイスラムを考察してみたら、やっぱり「共助」が必要ってことになった。
- 【書評】『結果を出すリーダーはみな非情である』①~サンクコスト(埋没コスト)・サンクタイム(埋没時間)は切捨てキャッシュフロー重視
- 【書評】『結果を出すリーダーはみな非情である』②~は「選択と集中」は逃げの言葉
- 【書評】『結果を出すリーダーはみな非情である』③~戦略は組織に従う
撤退の失敗を描いた本
戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一,
杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎
中央公論社 ( 1991-08 )
ISBN: 9784122018334
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