Facebookは閉鎖空間だと誤解されていることもまだまだ多いようですので、Facebookからは個人情報から漏れていることと、特にFacebookページを運営されている方に気をつけておくべきことをまとめました。


ソーシャルメディア普及の道程


FlickrでDigital Nativeで検索した画像

Digital Native

photo credit: courosa cc


私自身はFacebookのみならず、Twitter、Google+など、ありとあらゆるソーシャルメディアで実名を名乗っています。たぶん、私がインターネット上ではじめて実名で名乗ったのはTwitterアカウントを取得した2008年4月ではだったと思います。


当時、アメリカ・ラスベガスで開催されたガートナー・シンポジウムに参加しておりまして、CONSUMERIZATIONがひとつのキーワードになっておりました。元来、コンピュータというのは元々高価なものでした。ITの先端は常に企業利用にあり、企業で使われてのちに低価格したものから順に一般消費者に普及していきました。パーソナルコンピュータしかり、インターネットしかりです。


しかし2000年以降、GoogleやFacebookの登場によって主客が逆転しはじめました。いまや一般消費者が利用するITが先駆的で、多くの企業が一世代前の旧式のITを使っていると言っても過言ではありません。その様相をCONSUMERIZATIONと呼ぶわけですが、具体的には、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが無視できなくなったどころか、積極的に利用していこうというのが、2008年当時のガードナーの見立てでした。


私自身1995年にNIFTYのフォーラムでアクティブ利用者になり、NIFTY衰退後、2005年にはハンドル名によるブログを書いていましたが、実名でインターネットに名前を公表することは躊躇しておりました。しかし、CONSUMERIZATIONの到来を確信した2008年、実名利用に切り替え、それ以来、ソーシャルメディアの利用は原則実名を貫いています。


日本人にとっては2010年がTwitter元年でしょう。2011年の大震災ではTwitterは大活躍しました。私のまわりでもTwitterでの実名利用者が急増しました。しかしその後、2012年ごろからFacebookが凌駕しはじめ、現在に至ります。


2008年ごろから言われ始めた「デジタルネイティブ」が、いよいよ世界を変えつつある。


Facebookがもたらした閉鎖空間での実名主義


Facebookがもたらしたパラダイムは実名主義です。


FacebookはTwitterやGoogle+と違い閉鎖的で、プライバシー設定をすることにより友人のみにプロフィールを開示することが可能です。実名利用者はどちらかというとFacebookに閉じこもる傾向にあり、インターネットでダダ漏れのTwitterはどちらかというと著名人が情報発信をし、そのファン・フォロワーが受動的に情報を摂取するという利用のされ方にシフトしていったように感じます。Facebookで初めて実名で情報発信するという人もかなり多いのではないでしょうか?


しかし、Facebookは内側に閉じていてGoogleに検索されないというのは本当でしょうか?


実は二つの方法でFacebookから情報が漏れています。しかしそのことに案外気づいていない方が多いように思います。Facebookは閉鎖空間であると安心しきってしまったことが、裏目に出てしまうこともあります。


Facebookから漏れる個人情報1:Facebook認証を用いたサービス

イベントサービスであるDoorkeeperのFacebook認証画面

Facebook認証を用いたWebサービスへのログイン


インターネット上のサービスを利用する際、Facebookの認証機能を使ってログインを済ませる方も多いのではないでしょうか?毎回毎回、会員登録するのは面倒です。Facebookの認証機能を使ってログインできれば楽チンです。しかし、Facebookの認証機能を使うということは、その外部サービスにFacebook上の個人情報を受け渡していることになります。


私はFacebookの基本情報に勤務先や携帯番号を書かないようにしています。


このブログもFacebook上の認証機能を用いてコメントが記入できるようになっています。このようなコメント入力欄は、名前のみならず勤務先や大学名も一緒に表示されます。私は個人として発言したいのに勤務先名が表示されては、企業を代表して発言してしまっているようになります。それは発言の意図を明らかに反しているため、Facebookのプロフィールから勤務先情報を削除することにしました。


Facebookの認証サービスはたしかに便利です。しかしその裏返しとして、個人情報がFacebookの外に流出していることは理解しておいたほうがよいでしょう。流出しうるということを前提に、Facebook上での情報開示をおすすめします。


Facebookから漏れる個人情報2:ページ

私も参加した企業間フューチャーセンターのイベント

Facebookページのイベント

ログインしなくて参加者や招待されている人が見える


Facebook自体のサービスは原則Facebookの外から見えませんが、唯一外から見える領域があります。ページです。Facebookからログアウトして、ご自身がいいね!をしているページを見てみてください。ページ内の投稿・イベント・写真は、Facebookにログインしなくても誰でも見ることができます。Facebookのプロフィールを非公開にしても、そこでの投稿、イベント参加記録(だけでなく招待された記録も!)、写真は、インターネット利用者の誰でも見ることができますし、Googleによって検索も可能です。


このブログにも、私自身のページのバッジをつけています。いいね!をいただいた方々のプロフィール写真が誰でも見れるようになっています。Facebookページに「いいね!」をすると、このようにFacebookの外から見えるようになります。


いっさい個人情報の流出が困るという方は、Facebookも諦めたほうがよいかもしれません。


Facebookページを運用されているコミュニティ運営者の方へ


Facebookを利用している人は気をつけたほうがいいのは言うまでもありませんが、特に気をつけなければならないのは、Facebookページを運用されているコミュニティ運営者の方々です。


多くの人の賛同を得ようとFacebookページを作られたと思います。しかし、Facebook利用者のおそらくほとんどの人は、ここで述べたFacebookページから個人情報が漏れることを正しく認識していないように思います。


Facebookは閉鎖的で個人情報も決して漏れないと安心しきった人が、あなたの運営するFacebookページを通じて自分の情報が漏れていることに気づいた時、あなたにクレームを入れてくるかもしれません。


そのような時に慌てふためかなくてもすむよう、今一度Facebookページの利用ポリシー、コミュニティのプライバシーポリシーを策定することをおすすめします。



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