本書は、企業間フューチャーセンターの八田さんに紹介していただきました。


この本のサブタイトルを私がつけるとすれば、「物理学と愛の統一理論」でしょうか?


本書は、建築デザイナーの方が書かれた本でありながら、数学、物理学、哲学について書かれており、それらを建築家の視点で統合しようと試みると大胆なテーマの本です。


<目次>

Edward Suzuki Design

Praise for GOoD Design

[はじめに] 日本と世界の未来のために!

第1章 デザインとは何か?

第2章 「空飛ぶ家」、未来の家

第3章 東京ウッドストックホルム

第4章 モダニズム vs.ポストモダニズム

第5章 フラーと「ワールド・ゲーム」

第6章 水から原子構造を考える。

第7章 数学と黄金比とデザイン

第8章 シンクロニシティの不思議

第9章 意識が先か、物質が先か

第10章 相対性理論をわかりやすく

第11章 「愛」はテンセグリティ宇宙の「結ぶ力」

第12章 人間が生まれてくる理由

神のデザイン哲学 GOoD DESIGN
鈴木 エドワード
小学館 ( 2013-06-26 )
ISBN: 9784093882996


デザインの本質


なぜ、建築家の方が、数学、物理学、そして哲学を論ずるのでしょうか。それは、デザインの本質が、物理学の法則に則っているからではないか?という素朴な疑問からです。私自身の大学時代の専攻は、物理学でした。ですので、エドワード氏の言わんとするところが、ものすごくよくわかります。


そして、物理学を表す言語が数学です。物理学の法則はきわめてシンプルな数学で表現できます。たとえば、ニュートンの法則であるf=maや、アインシュタインの特殊相対性理論E=mc^2などです。


建築の視点で言えば、最も安定した建築構造は三角形であり四面体です。なぜ二点支持や四角形ではなく三角形が最も安定しているかというと、この世の中が三次元だからです。同一直線上にない三点により、一意に平面が決定します。このことが、三角形を最も安定たらしめています。


ダイヤモンドは自然の中で最も硬いと言われています。別の言い方をすれば、原子構造が最も安定しているとも言えます。その理由は、原子の配列状態にあるのではないかというのがエドワード氏の見立てです。ダイヤモンドの構造は、四面体を二つあわせた格好をしています。同じ炭素の構造体であるバックミンスター・フラーレン(C60)やカーボンナノチューブなども非常に安定した構造になります。


テンセグリティ

Tensegrity_simple_4_RL

出典:Wikipedia cc lic


「テンセグリティ」という名前の構造があります。

「テンション(張力)とインテグリティ(力)を組み合わせた造語で、圧縮材と引っ張り材で成り立つ「吊り構造」を指します。

緑色の部分が木材などの引っ張り材、赤色の部分がゴムなどの圧縮材です。引っ張り材がお互い直接連結されていないのにもかかわらず、圧縮と引っ張りの釣り合いによって、非常に安定的な構造になります。


物理学、数学、そして自然


数学に目をむければ、フィボナッチ数列(螺旋など)、黄金比、フラクタル(自己相似)などが本書で紹介されます。自然の中では、巻貝やひまわりの花のように螺旋構造を見出せますし、葉脈、木の枝、川の蛇行、山の尾根などはフラクタルだと言われます。数学の美が自然の中にプリセットされていると言っても過言ではありません。細胞分裂のあり方が、フィボナッチ数列に基づいた自己相似をもたらします。


TEDxTokyoで三角形と炭素構造についてわかりやすく講演をするエドワード氏


自然を支配するもの


自然を支配しているのは、物理学であり、物理学を記述する数学であると言えそうです。であるならば、人類を創造したのは何でしょうか?誰でしょうか?


キリスト教では、人類の創造主は神だと言います。


なぜ、この世に人類がいるのか、神が人類の創造主であるならば、究極的には自然を支配する物理学であり、実は物理学と哲学は同一の法則なのかもしれません。


もし本当に宇宙のすべてが関係性で成り立っているのであれば、4つの力※をまとめる力が発見された時に、それが実は「愛」だった、となっても、私は全く驚きません。

※「重力」「電磁力」「弱い力」「強い力」


それをエドワード氏はGOoD Designと呼び、私は「「物理学と愛の統一理論」と呼びます。


このような想像は、オカルトっぽく聞こえるかもしれません。しかし、そもそも、私のように物理学を修めた者は、非科学的なことは信じません。論理的に物理学と哲学を突き詰めていくと、いづれ統合されるのではないかというエドワード氏の説明は、非常に納得のいくものがありました。


関連書籍

出現する未来 (講談社BIZ)
P. センゲ, O. シャーマー, J. ジャウォースキー,
野中 郁次郎, 高遠 裕子
講談社 ( 2006-05-30 )
ISBN: 9784062820196


『神のデザイン哲学』の中で、生理活性物質の希釈水の言及があります。水には記憶力があるのではないか?という疑問です。科学と哲学の統合の話は、この『出現する未来』でも触れています。


注)「生理活性物質の希釈水」は、ニセ科学の一種です。(2016年3月6日)



そして、『出現する未来』の著書の一人、オットー・シャーマー博士が体系立てたのが、『U理論』です。原著は難しいので、こちらの『U理論入門』がお勧めです。


地球の目線 (PHP新書)
竹村 真一
PHP研究所 ( 2008-12-16 )
ISBN: 9784569700861


また、『神のデザイン哲学』の中では、竹村真一教授のことも触れられています。自然環境に対する問題意識の点で、エドワード氏~竹村教授~自分とつながっているのを再発見した次第です。



編集後記


また、多忙につき、ブログの更新が滞ってしまいました。前回なにを書いたかといいますと、「軽やかに文章を書く」と書きました。しかし、本書の書評を書くのは、とても難しいです。ぜんぜん納得できておりません。もっと推敲を重ねたいところですが、そうするとブログの更新をさらに怠りかねませんので、駄文ではありますが、そのまま公開することにします。



↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村