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「古典」とは

これはまた最高の選書本に出会いました。紹介される本は200冊、執筆者は20名にのぼり、全体を監修するのは佐藤優。総理大臣だった小泉純一郎と対立した鈴木宗男の逮捕・失脚に連座して逮捕されたロシアを専門とする元外交官です。512日間、東京拘置所に拘留された際、彼を支えたのは「友人」でした。


その友人とは、リアルな人間関係ではなく、「古典」を通じた死者です。共産主義革命を成し遂げソ連を樹立することになるウラジミール・レーニンは、生前のマルクスとの面識はありませんでしたが、何かに行き詰った時、「マルクスに相談してくる」と言っては、マルクスの本をひたすら読んでいたとのことです。「古典」を読むことは、死せる友人との対話です。


数多くの経営書を手掛ける田坂広志氏は『プロフェッショナル進化論』で、21世紀のビジネスパーソンに必要な要素として「私淑」を挙げています。佐藤優氏がここで掲げる「古典」の著者との対話もまた、「私淑」の一形態ではないでしょうか。


佐藤優氏は「古典」の著者と対話することで、孤独な拘置所生活を耐え忍んだのです。


原著を読むのは決して易しくありません。たとえば、マルクスの『資本論』は岩波文庫版で9冊にもなります。しかも内容が難しい。とても読破できる代物ではありません。幸いなことに多くの解説本・マンガなどが出版されています。特に最近はNHK 100分 de 名著シリーズがお薦めではないかと思っています。


では、選書本恒例、紹介されている本の知っている/知らない、読んだ/読んでないをまとめました。200冊を一気には大変なので、1/5ずつです。


第一章 生きること、人間の本質を考える

『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎
『人生論ノート』 三木清 ×
『精神現象学』 ヘーゲル ×
『存在と時間』 ハイデッガー
『唯物史観の現像』 廣松渉 ×
『純粋理性批判』 カント △※
『君主論』 マキアヴェリ ◎サ
『人間的自由の本質』 シェリング ×
『存在と無』 サルトル ×
『論理哲学論考』 ウィトゲンシュタイン
『存在の分析<アビダルマ>』 櫻部健/上山春平 ×
『はじめての唯識』 多川俊映 ×※
『ユダヤ教入門』 ラーンジュ ×
『宗教について』 シュライエルマッハ― ×
『学問論』 シェリング ×
『エチカ 倫理学』 スピノザ
『将来の哲学の根本命題 他二篇』 フォイエルバッハ ×
『独白』 シュライエルマッハ― ×
『笑い』 ベルクソン ×
『我と汝・対話』 ブーバー ×
『精神分析入門』 フロイト △サ
『現代語訳 般若心経』 玄侑宗久 ◎※
『甘粕正彦 乱心の曠野』 佐野眞一 ×
『善の研究』 西田幾太郎 ×※
『沈黙』 遠藤周作
『塩狩峠』 三浦綾子
『光の子と闇の子』 ニーバー ×
『意識と本質』 井筒俊彦 ×
『魔の山』 トーマス・マン ×
『裸のサル』 モリス ×
『モナドロジー 他二篇』 ライプニッツ ×
『わが解体』 高橋和巳 ×
『破壊』 島崎藤村
『歌集 常しへの道』 坂口弘 ×
『時間と自己』 木村敏 ×
『死刑囚の記録』 加賀乙彦 ×
『監獄の誕生』 フーコー △サ
『蓮如』 五木寛之 △※
『楢山節考』 深沢七郎 ×
『聖書』 - ◎サ
『コーラン』 -


記号 凡例 数量
原著を読んだ。 1
異訳本/解説本/マンガで読んだ。 4
どんな本か知っている。説明できる。 2
タイトルは知っている。 8
× タイトルも知らなかった。 26
齋藤孝の『古典力』で紹介されている 4
読みたい 5


41冊中、異訳本/解説本/マンガを含めて読んだことのある本はわずか5冊!タイトルすら知らなかった本が26冊もあります。あらためて、読むべき本に比して読む時間は圧倒的に少ないということを痛感します。


Naoki's Selection~読みたい本リスト~

カント『純粋理性批判』 2020年6月 (NHK100分de名著)


名前は知っているがその主義主張を知らない哲学者の1人がイマヌエル・カントです。現在併読中の『渡邉恒雄 メディアと権力』によれば、戦前の東京高校から東京大学哲学科に進学した渡邉氏は、カントを読んでいたからこそ、戦争の不条理に耐え、共産主義の欺瞞に気づいたとあります。カントは渡邉氏にとって「友人」であり、対話の相手だったのでしょう。わずか20歳の渡邉氏に共産主義の欺瞞を気づかせたというカントの哲学の中身を知りたくなった、というのが読みたいと思った理由です。幸いなことに「NHK100分de名著」が出ているではありませんか。


『はじめての唯識』


「唯識」という言葉はどこかで聞いたことがありましたが、本書は知りませんでした。しかし、直感的に、「人工知能」に対する洞察を理解するのに役立ちそうと思えました。「人工知能」において重要なのは、技術よりもむしろ「認知」能力です。大乗仏教の流れの中で五世紀には体系化されたとのことで、仏教の奥深さに感銘を受けます。


唯識 - Wikipedia


『現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))』


わずか262文字で読んでみたものの、ほとんど腹落ちしていない般若心経。一冊丸ごと解説本を読んだほうがよさそうです。



『西田幾多郎 『善の研究』 2019年10月 (NHK100分de名著)』


日本を代表する哲学者でありながら、カントと同様、その主義主張をほとんど知らない西田幾太郎氏。著書名も知らなかったので、こうして指摘されると助かります。やはり「NHK100分de名著」シリーズがありましたので助かります。


『蓮如―われ深き淵より (中公文庫)』


五木寛之氏の本は一冊も読んだことがありません。読むとすれば彼の代表的著書『蓮如』でしょう。


【書評】『一生モノの教養が身につく世界の古典 必読の名作・傑作200冊』


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