<目次>

はじめに

李登輝・関連年表

第一章 日本精神に学ぶ

第二章 台湾民主化への道

第三章 新台湾人の時代へ

第四章 日本と台湾の国防論

あとがきに代えて


台湾の主張=台湾は実質独立国


1988年から2000年まで、台湾総統を務めた李登輝氏。1923年生まれで現在92歳です。先日亡くなったリー・クアンユーと同年生まれです。国民党一党独裁に終止符を打ち、国民による直接選挙で総統となり、台湾の民主化に先鞭をつけました。


本書のタイトルの一部となっている「台湾の主張」。その主要なテーマは、本書でも繰り返し述べられていることですが、台湾は国民が政府を選ぶことができる民主主義国であること、つまり独立国であることに他なりません。

台湾は台湾である。中国の一部ではない。真実はそれ以外の何ものでもなかった。

1996年の総統直接選挙では、国民が自ら国家の指導者を選べるようになった。つまり台湾は、外来政権による支配から解放されたのである。

すでに台湾は独立国家なのに、いまさら独立を主張する必要はない、といったのである。

台湾の国家正常化とは何か。それは国号を中華民国から台湾に正し、台湾の現状に即した憲法を台湾人自らが制定することである。


台湾たらしめるもの


台湾が台湾たらしめているものは何か?李氏は、「日本精神」だと言います。

台湾人が好んで用いる言葉に「日本精神(リップンチェンシン)」というものがある。これは日本統治時代に台湾人が学び、日本の敗戦によって大陸からきた中国人が持ち合わせていない精神として、台湾人が自らの誇りとしたものである。「勇気」「誠実」「勤勉」「奉公」「自己犠牲」「責任感」「遵法」「清潔」といった精神を表す。


私は観ていませんが、昨年公開された甲子園を目指した台湾人を描いた映画『KANO』。李氏はこの映画を感慨深く観たとのことですが、それはこの映画に「日本精神」を見たからです。

『KANO』をみて、私はあらためて家内と「日本の教育は素晴らしかったね」と語り合った。『KANO』のおかげで、かつての自分や家族のことにしばし思いを馳せることができたのである。



近代台湾の礎を作った日本人


台湾の礎を作った日本人の礎を作った日本人として、本書では後藤新平と新渡戸稲造を中心に書かれています。2004年まで、五千円札の肖像は新渡戸稲造でしたが、新渡戸稲造を使い続けるべきだったのではないかと思います。


そして、もう一人、台湾人が尊敬して止まない日本人が、八田與一です。


筆を擱くに当たり、「嘉南大圳」の父、八田興一のことにももう一度触れておきたい。八田の精神を後世に伝えるために、工事に携わった人々は彼の銅像をつくり、烏山頭ダムのほとりに置いた。戦後、国民党政府は日本統治時代の銅像や碑文は破壊して回ったが、その魔手から逃れるために、八田の銅像は倉庫に眠ったままになっていた。元の位置に戻されたのは、1981年になってからのことである。片膝をつき、右手で髪をつかむ八田の銅像は、考え事をしている往時の姿を模したもので、その魂はいまも「嘉南大圳」の水の流れを見つめているのだろう。私は戦後、台湾人が八田の銅像を守り抜いてきたことを心から誇りに思っている。


次に台湾を訪れる機会があれば、日本人が建設した烏山頭ダムを訪れ、八田與一の銅像を拝みたいものです。


八田與一

image via Wikipedia under license of GFDL


なぜ、「新・台湾の主張」なのか?


なぜ、あらためて、「台湾の主張」をしなければならないのか?それはせっかく、独立国としての地歩を固めてきたのにもかかわらず、台湾政府が中華人民共和国に擦り寄っているから、媚中政策を採っているからです。


昨年、起きた、台湾のひまわり学生運動。恥ずかしながら、この運動の背景をよく分かっておりませんでしたが、本書を読んで、よく分かりました。中華人民共和国は、日本や沖縄に対して行っているのと同様、台湾に対しても飴玉をぶらさげ、おびきよせています。馬英九現総統は、中華人民共和国の策略に見事乗ってしまっているように見えます。まるでどこかの国の鳩ぽっぽと同じように。


李登輝氏が本書で一番言いたかったことは、このことでしょう。最後の言葉を引用します。

台湾の未来のために馬英九に勧告する。総統を辞任せよ。台湾がこれからも全身するために、馬英九はいますぐ総統を辞任せよ。




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