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代表的な科学論文誌と言えば『Nature』。創刊1869年で現在147年もの歴史を持ちます。申請のあった論文のうち実際に掲載されるのはわずか7~8%とのことで、掲載論文は全て査読されます。発行は公的機関や大学によるものではなく、Springer Natureというドイツの大手出版社です。



『Nature』本紙は毎週発刊されていますが、その日本語版の月刊ダイジェストがこの『nature (ネイチャー) ダイジェスト』です。このダイジェスト版は2015年9月号を持って紙媒体は廃止し、現在はオンライン購読に移行しました。最後の紙媒体版はプレミアム価格がついており、9月25日現在、9700円します。


その2015年9月号を図書館で借りて読んでみました。



本誌を読むと正直難しく感じられるところもありますが、科学の最前線、つまり、現在何が分かっていて何が分かっていないかの境界線を知ることができます。具体的に3点ほど挙げて例示します。


微生物ダークマターを探る最新手法

既知の微生物種は全微生物種の約1割でしかないと言われています。存在が知られていても解明できないのはなぜか?それは培養ができないことにあります。新規抗生物質の多くは微生物から得られており、未知の微生物を探索することで、新たな抗生物質の発見に繋がる可能性が高いです。


オキシトシンの基礎研究

抱擁ホルモンと呼ばれるオキシトシン。未交尾の雌ラットにオキシトシンを投与すると母性行動が引き起こされ、子ネズミの世話をするとのことです。また、社会的認知能力の向上にも効くと予想されており、自閉症の治療薬として期待されているとのことですが、現時点ではその効用はまだ実証されていません。今後の研究に乞うご期待といったところでしょうか。


冥王星に広がる驚きの地形と深まる謎

2006年1月19日に飛び立った探査機ニューホライズンズは、この9月号が発刊される少し前の2015年7月14日に冥王星に最接近し、人類に初めて冥王星の地表の姿を見せました。冥王星からのデータ転送速度は800Bpsとのことで、地球への全てのデータ送信に1年近くかかっています。


楕円軌道を回る冥王星の太陽からの距離は29AUから49AUで、Wikipediaによると、1977年に飛び立ったボイジャー1号は200AU、2号は170AUを超えたあたりを飛行、現在も更新可能な状態にあるとのことです。



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冥王星へ向かうニューホライズンズ(想像図)
冥王星へ向かうニューホライズンズ
credit : NASA via Wikipedia (license : Public Domain)


本書は、9月4日、9月25日の朝活読書サロンで紹介しました。



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