歴史は実験できるのか――自然実験が解き明かす人類史
ジャレド・ダイアモンド, Jared Diamond,
ジェイムズ・A・ロビンソン, James A. Robinson
慶應義塾大学出版会 ( 2018-06-06 )
ISBN: 9784766425192

<目次>
  • プロローグ
  • 第1章 ポリネシアの島々を文化実験する パトリック・V・カーチ
  • 第2章 アメリカ西部はなぜ移民が増えたのか
     ――19世紀植民地の成長の三段階 ジェイムズ・ベリッチ


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本書は歴史を自然実験的に証明しようという試みです。本書のあらすじをまとめたいのだけど、骨太の本につき、一度にまとめるのが難しいため、三編に分けて紹介していこうと思います。


第1章 ポリネシア


ポリネシアというのは、東南はイースター島、北はハワイ、西南はニュージーランドに囲まれた領域を指しますが、言語学的にはトンガあたりを起源として約1000年前に島々に拡散して住むようになったとのことです。しかしその1000年の間に、言葉も変われば文化も変わってしまいました。文化が変わった最大の要因は環境です。降雨の多寡により、農耕が可能かが決定的になります。肥沃な土地で多く実りも多ければ統治はうまくいき、肥沃な土地が少なければ、争いが絶えません。


たとえば同じハワイ諸島でも、火山が多く土壌が流動的なハワイ島は土地が痩せていて農耕に向きません。一方ハワイ諸島のモロカイ島やカウアイ島は土壌が古く肥沃なため農耕に向いています。似たような地域でも環境条件が異なります。


もっとも環境が厳しかった島のひとつがイースター島です。降雨量が少ないため、動物を食べつくし、農作物も食べつくし、実らせることもできず、石碑を残して文明が崩壊しました。


イースター島
credit: victoriaspics via pixabay.com (license : CC0)


アメリカ西部開拓


アメリカの西部に限らず、カナダ、オーストラリア、ロシアなどのフロンティア開拓は、ほぼ確実にブーム→バスト(崩壊)→再生という軌跡をたどったようです。


フロンティアというと、開墾したばかりでまだ十分な実りを得られず貧しいイメージがあったのですが、全然そんなことはなかったとのことです。人が押し寄せて来るということは、それなりに仕事があったということ。その仕事は農業というよりも建物や道路、鉄道などの建設や農地の開墾でした。機械のない時代ですので、開墾の担い手は馬力依存です。農地の半数以上は馬の餌ようだったとのこと。そして、開墾が一周すると一旦崩壊し、遠隔地に農作物を輸出する循環ができることによって再生していったとのことです。


アメリカの広大な農地を開墾したアメリカ人の先祖たちには敬服します。


トウモロコシ畑
credit : jarmoluk via pixabay.com (license : CC0)


つづく。


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