総理
山口 敬之
幻冬舎 ( 2016-06-09 )
ISBN: 9784344029606

<目次>
  • まえがき
  • 第1章 首相辞任のスクープ
  • 第2章 再出馬の決断 - 盟友の死、震災、軍師・菅義偉
  • 第3章 消費税をめぐる攻防 - 麻生太郎との真剣勝負
  • 第4章 安倍外交 - オバマを追い詰めた安倍の意地
  • 第5章 新宰相論 - 安倍を倒すのは誰か
  • あとがきにかえて


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転向

このブログでも一貫して、特に財政政策について私は安倍政権を批判してきました。しかし、どうやら安倍政権支持に転向せざるを得ないようです。


意外と思われるかもしれませんが、選挙権を得てから今日まで私は一貫して反自民でした。ここ数年の間に、期待していたみんなの党や維新の党が瓦解し、民進党に飲み込まれてしまいました。その民進党はただ反対するだけの政党に成り下がってしまったため、もはや選択肢にはなり得ません。消去法的に自民党に投票せざるを得なかったのですが、これからは積極的に自民党に投票することになりそうです。


安倍政権の支持率は総じて高く、政権運営はきわめて安定しています。表面的にはそう分かるのですが、実のところなぜうまくいっているのか、その理由がはっきりとは分かっていませんでした。しかし本書を読んでみて、その理由に納得できました。


暴露

本書の著者・山口敬之氏は、TBS政治部で官邸キャップを務めた方です。現政権の内情をここまで暴露していいのか!というのが率直な驚きです。2007年8月、山口氏は安倍首相の一回目の政権末期に退陣を確信し、TBSはスクープのテロップを流します。また、2014年の衆議院解散の2日前、安倍首相から直接解散予定を聞かされます。世間どころか自民党中枢のほとんどの人が知らないのに。


そう。山口氏が特異なのは、政治家に切り込む姿勢です。山口氏に言わせれば、政治家にとことん近づかなければ、核心に迫ることはできないとのこと。もちろんその報道姿勢は賛否両論があり、左翼メディアのリテラなどは、「安倍の太鼓持ち」と酷評しています。


信頼できるジャーナリスト

しかし、山口氏の報道姿勢を私は支持します。こうして山口氏の報道姿勢が分かると、他のメディア記者たちが、いかに表面的な事象をなぞった報道しかしていないことがよーく分かります。山口氏には「インテリジェンス」があります。他の報道にはありません。マスメディアの劣化に不信を募らせている人も多いですが、山口氏は信頼できるジャーナリストと言えます。


もちろん、この核心に迫る報道があだとなり、山口氏は左遷され、本書出版の直前にめでたく(?)TBS退社となりました。


つづき:【書評】『総理』その2:インテリジェンス・官僚・トランプ : なおきのブログ


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安倍晋三
photo credit : U.S. Embassy Tokyo via Wikipedia (Public Domain)


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