Oxford_University


昨日(9月13日)、2年前にイギリスに旅立った桜庭さんの英国留学報告会があったので、参加してきました。



本ブログでもたびたび取り上げていますが、GDPや人口などの表向きの国力に比して、もっとも世界に影響力のある国の一つがイギリスだと思っています。


ある面、アメリカを裏で動かしているのはイギリスです。日本は、工業生産力、エネルギー産出量の差でアメリカに戦争で敗れましたが、実は、その前に情報戦でイギリスに敗れたと考えています。イギリスがアメリカを戦争に引きずり込んだからです。



イギリスの影響力の源泉


そのイギリスの世界への影響力の源泉は何だろうか?と考えると、植民地経営のノウハウと、オックスフォード、ケンブリッジに代表される大学にあるだろうと仮説していました。そして、桜庭さんの話を伺い、その仮説は一歩検証されたかっこうになります。


桜庭さんはオックスフォードに留学したわけですが、桜庭さんの話を通じてあらためて分かったことは、イギリスという国は階級社会(Class Society)だというです。


イギリス・エリートの3つの資本(Capitals)


桜庭さん曰く、ハイ・クラスのエリートたちには、3つの資本があります。

  • カネ(Financial Capital)
  • チエ(Knowledge Capital)
  • コネ(Social Capital)


イギリスのエリートたちは、この3つバランスがよく、バランスを欠いた人物は、つま弾きにされるとのこと。シティ(カネ)、大学・シンクタンク(チエ)がコネで繋がっている、それがイギリスのエリートたちです。


日本では、このバランスを取れた人物が少ないのではないかとのこと。たしかに、象牙の塔と称してアカデミアの世界に籠り、世間で通用しない日本の大学、成金・拝金主義者たち。バランスがよいのは、昔からの良家かもしれません。よく知りませんが。


クラブ(Gentleman's Club)


カネもしくはチエのある人たちがどのように交流するのか、一つは会員制の「クラブ」、もう一つは、毎晩繰り広げられる大学の晩餐会(Dinner)でしょうか。桜庭さんは餞別として蝶ネクタイをいただいたそうですが、そんなものを使うのかというと、毎週必ず使っていたようです。


その「クラブ」なんですが、銀座のクラブのように、お姉さんが接客してくれる場所ではなく、紳士たちの社交場としてのGentleman's Clubです。会員になるには、既存会員の推薦が必要で、金額のほどは知りませんが、それなりの会費がかかるでしょう。日本だと、どういう場が社交場なんでしょうか?銀座のクラブ、赤坂の高級料亭、あるいは、ゴルフ場でしょうか。お忍びで訪れるような料亭に何度か訪れたことはありますが、イギリスのクラブとはかなり違いますね。イギリスのクラブは、大学のクラブハウスのように、暇さえあればふらふらと訪れて、人脈を作り、情報交換をするような場とのことです。


大学(University)とカレッジ(College)


オックスフォード、ケンブリッジ、ともに私立大学です。それぞれの大学の傘下には複数のカレッジ(College)があります。


桜庭さん曰く、カレッジというのは「寮」みたいなものだとのこと。そして、カレッジにもさまざまなものがあって、不動産収入があり世界から寄付金をかき集めた裕福なカレッジ、質素なカレッジ、伝統のあるカレッジ、新興カレッジ、開放的なカレッジ、閉鎖的なカレッジなど。


毎日どこかで晩餐会(Dinner)があり、やはりここでも人脈作りに勤しんでいるようです。


オックスフォードの合格の仕方


この話を聞き、実に桜庭さんらしいと思いました。自分の人生の戦略を立て、仮説検証を行いながら遂行していく。オックスフォードへの合格へのストーリーも、まさに仮説検証の実践です。今後講演会で広めていくそうなので、詳細は割愛し、見出しだけチラ見せしておきます。


  • 徒弟制度
  • 課外活動
  • 推薦状
  • その下ごしらえ
  • 現地でのロビー活動


チャタムハウスルール


最後に、チャタムハウスルールというのが興味深かったです。チャタムハウスというのは、正式名称は王立国際問題研究所。世界第二のシンクタンクとのことで、王立ということで、トップは女王陛下です。女王が招聘依頼をすれば、誰も断れません。世界最高峰の叡智を集めることができるわけです。そのチャタムハウスが、或る意味、世界のシナリオを描いているわけです。


そして、そのチャタムハウスには、「チャタムハウスルール」があります。平たく言えば「ここだけの話」。「チャタムハウスルール」だと宣言されたら、それ以降の情報は、内容は公開してもいいが、情報源の秘匿は守る必要があります。ルールを破ったら、村八分に遭います。Wikipediaに説明がありましたので、引用しておきます。


チャタムハウスルールを適用する旨の宣言の下に運営される会議においては、当該会議で得られた情報を利用できるが、その情報の発言者やその他の参加者の身元および所属に関して秘匿する(明示的にも黙示的にも明かにしない)義務を負うというルール。


昨日の報告会、チャタムハウスルールの宣言がありませんでしたので、聞いた内容を中心に、一部私見を交えて、紹介させていただきました。


桜庭さんと
帰り際に桜庭さんとツーショット。



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