<目次>
  • 監訳者まえがき
  • イントロダクション
  • 1 空気に耳を澄ます ―― 異文化間のコミュニケーション
  • 2 様々な礼節のかたち ―― 勤務評価とネガティブ・フィードバック
  • 3 「なぜ」VS「どうやって」  ―― 多文化世界における説得の技術
  • 4 敬意はどれくらい必要? ―― リーダーシップ、階層、パワー
  • 5 大文字の決断か小文字の決断か ―― 誰が、どうやって決断する?
  • 6 頭か心か ―― 二種類の信頼とその構築法
  • 7 ナイフではなく針を ―― 生産的に見解の相違を伝える
  • 8 遅いってどれくらい? ―― スケジューリングと各文化の時間に対する認識
  • エピローグ
  • 謝辞
  • 原注
  • 詳細目次


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本書は同僚のOさんに薦められて読むことにしました。


本書の原題は『The Culture Map』。日本の中にいるとなかなか気づきにくいのですが、世界の市場は急速に一つになりつつあります。異文化が出会えば、背景を知らないためにお互いの真意をはかることができずに誤解が生じ、衝突も起きます。本書は、八つの指標を用いて文化の見取り図を作成し、その見取り図により相互理解をはかろうという試みです。本書は包括的かつ論理的で、非常に納得のいくものでした。


文化の見取り図を作る八つの指標


その八つの指標とは以下の通りです。


コミュニケーション ローコンテクスト ハイコンテクスト
評価 直接的なネガティブ・
フィードバック
間接的なネガティブ・
フィードバック
説得 原理優先 応用優先
リード 平等主義 階層主義
決断 合意志向 トップダウン式
信頼 タスクベース 関係ベース
見解の相違 対立型 対立回避型
スケジューリング 直接的な時間 柔軟な時間


個人のばらつき、企業のばらつき


たとえば、コミュニケーションに関して言うと、概してアジア系はハイコンテクスト、ラテン系は中間、あんぐろサクソン系はローコンテクストです。アジア系の中でも、日本や韓国は最もハイコンテクストです。ほぼ単一民族で構成されているためでしょう。同じアジア系でも、インドやシンガポールは比較的ローコンテクストです。インド人やシンガポール人と一緒に働いた経験から言っても、間違いありません。多民族国家ゆえのことと理解しています。


もちろん、このように国民性をステレオタイプに決めることはできません。日本人の全てがハイコン場、テクストではなく、空気を読まないローコンテクストな人もいます。しかし、国全体で見れば正規分布になり、有意な範囲で国別の傾向が現れるようです。


個人ごとにバラツキがあることもよ容易に想像できます。自分で当てはめてみても、その通りの指標もあれば中心からずれてるなと思う指標もあります。会社単位でも同様です。うちの会社は、けっこうこの点はずれているのだけど、どうしてだろうと思うところもあります。


コンテクストとネガティブ・フィードバックの関係

コンテクストとネガティブ・フィードバック


驚きなのは、コミュニケーション(コンテクスト)と評価(ネガティブ・フィードバック)の関係が単純な相関関係にないことです。上図は本書のP99の挿絵を簡略化したものです。
右上のアングロサクソンと左下のフランス、南欧とロシアが、関係がねじれています。


世界で最もローコンテクストなアメリカは、ネガティブ・フィードバックに際しては間接表現を用います。欧米の中ではハイコンテクストはフランスや南欧、ロシアは、ネガティブ・フィードバックに際して直接表現を用います。アメリカ人とフランス人が遭遇すると、お互いの評価にびっくりするようです。


つづく。


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