読書日記人気ランキング


人工知能の一分野である自然言語技術に対する洞察を深めようと、「オントロジー(存在論)」についてWikipediaで調べていたら、「存在論」から「認識論」、そして本書『テアイテトス』へに至る。本書の副題には「知識とは何か?」とある。


テアイテトスというのはソクラテス晩年に生きていた若者。年老いたソクラテスともう一人の老人テオドロス、そして若者のテアイテトスの3人の「対話」が始まる。


ソクラテスと言えば、書き物を残さず、言葉による「対話」を重んじたわけだが、台詞の8割はソクラテスで、中には見開き2ページ、一つも改行なく延々とソクラテスの独演が続く。「対話」というよりも、ほとんど詰問、論駁に近い。


現在の心理学や社会学では、「対話」で重んじるべきは「傾聴」とその前提となる「共感」だが、ソクラテスの詰問調を「対話」と言ってよいのだろうか?年寄りの説教くさいのはいつの時代でも嫌われると思うのだけど、ひょっとしたら、当時も説教くさいソクラテスは嫌われていたのかもしれない。


結局のところ、ソクラテスのことも、「知識」についても、本書を読んで何も分からなかった。つまり、ソクラテスの教えは「無知の知」ということか。


―閑話休題―


中国古典、論語から始まり孟子、老子、韓非子、孫子、史記、三国志など、原文に基づいた漢字かな混じり文で読むと、相当噛み砕かないと理解が追い付かない。そこで、現代訳語版だけでなく解説本などを読んで理解を深めることがある。


同様に、ギリシャ哲学の理解を深めるためにも、原典の現代語訳版よりもむしろ、解説本を読んだほうがよいのかもしれない。プラトンを読んで理解しようというのは、今の私にはまだ無謀だった。


読書日記人気ランキング


プラトン
image via テアイテトス (対話篇) - Wikipedia (license : Public Domain)



↓↓参考になったらクリック願います↓↓
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村