著者 :
昭文社
発売日 : 2021-02-25
<目次>
  • 序章 三国志とはなにか?
  • 第1章 そうそうの華北制覇
  • 第2章 三国時代のはじまり
  • 第3章 諸葛亮の北伐
  • 第4章 三国時代の終焉


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昨年より横山光輝版『三国志』を読み進めていますが、登場人物が数多く登場し、また主人公劉備が諸国遍歴をしており、様々な地名が出てくるものの現在の地名と異なることもあり、全体を俯瞰できるのによさそうと思い、本書を取りました。



三国志には市井の研究者が多数おられ、その研究成果のまとめサイトも多数あります。細微に入ってしまうと素人には分かりづらく、その点、本書は図解で126ページとお手頃でお薦めです。


地図を手掛ける昭文社らしい取り組みです。願わくば、現在の地図・地名と照合をしていただけるともっとよかったかなと思います。劉備・諸葛孔明・曹操らの足取りの巡礼地巡りをしたい方も多いのではないでしょうか?


『三国志』の系譜

研究されている方々には言わずもがなですが、系譜の全体観が俯瞰できてよかったです。ざっくりと私流にまとめるとこんな感じです。

タイトル 著者 備考
正史『三国志』 陳寿 280年以降成立
『三国志演義』 羅貫中 明代(1368年~1644年)成立
『通俗演義三国志』 林羅山が1604年に読了したとある
『通俗三国志』 1690年。初の日本語版
『新訳演義三国志』 1912年。日本語現代語訳。吉川英治に影響を与える
『三国志』 吉川英治 1939年~1943年
『三国志』 横山光輝 1971年~1987年


劉備の足取り

三国の中で劉備のアドバンテージは漢王朝の遠縁という血統です。一方でディスアドバンテージは、足場を持たず、長らく流浪を余儀なくされたこと。194年に許昌に献帝を迎えた曹操、190年代に呉に拠点を築いた孫策・孫権に遅れを取ります。故郷を出立してから蜀を取るまで、幽州の公孫瓚に身を寄せ、徐州の陶謙に身を寄せ、許都の献帝・曹操に身を寄せ、冀州の袁紹に身を寄せ、袁紹が滅ぼされると(202年官渡の戦い)、荊州の同族の劉表に身を寄せ、劉表の死、赤壁の戦い(208年)を経て初めて荊州に足場を作り、そこから益州(蜀)に招かれて成都を獲得したのは215年。


「劉備 経路」で検索したらヒット


後年、毛沢東が三国志から多大な影響を受けたとのことですが、曹操から逃げ、孫権と提携しつつも是々非々で臨み決して誰にも屈することのなかった点は、蒋介石と組みながらも決して蒋介石に屈服しなかった毛沢東にも通じるものがあります。


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