<目次>
- プロローグ 親が最大の洗脳者である!
- Unit1 TPIEの世界へ
- Unit2 スコトーマとRAS リアリティーを見えなくするもの
- Unit3 情動記憶があなたをつくる
- Unit4 人は過去に生きている
- Unit5 自己を過小評価していないか
- Unit6 セルフ・トークで自己イメージを高める
- Unit7 コンフォート・ゾーンは自己イメージが決める
- Unit8 他人の言動を選別する
- Unit9 ハイ・パフォーマンスの実現
- Unit10 エネルギーと創造性の源
- Unit11 現状を超えたゴール設定
- Unit12 公式 IxV=R イメージの再構築
- Unit13 映像で思考し、思考が実現する
- Unit14 最初にゴールがある
- Unit15 したいことをやりなさい
- Unit16 イエス・アイム・グッド
- Unit17 未来の記憶をつくる
- Unit18 新しい「自分らしさ」をつくる
- Unit19 さらに先のゴール
- Unit20 バランス
- Unit21 さらなる夢に向かって
- おわりに
かつての同僚Mさんから薦められた本書。苫米地氏のコーチングに関する本は『コーポレートコーチング 上』につづいて2冊目です。苫米地氏について、受け入れられる部分と受け入れられない部分があります。総論として、苫米地氏のコーチングをお薦めできるかというとお薦めできません。特に、ビジネス経験の浅い20代や心理学の素養のない方には毒になりかねません。
裏を返せば、私には役に立つ情報を提供してくれました。その点は感謝いたします。
受け入れられること
彼の話は、要約するとこういうことになるかと思います。
この世に客観というものはない。我々は主観というフィルターで見ている。そのフィルターは自分の過去の記憶によって成り立っている。その最大の影響者が親である。本書のタイトルの『まずは親を超えなさい!』は、親の影響であるフィルターを排除しようということに他ならない。
既存の延長ではない成長を成し遂げたいのなら、そのフィルターを外し、自分のコンフォート・ゾーンの外に目標を設定せねばならない。その目標にリアリティーを構築することにより、実現への早道となる。そのリアリティーを感じるための道具が「アフォメーション」。アフォメーションのつくり方は11個ある。
- 個人的なものであること
- 肯定的に書く
- 現在進行形で書く
- 「達成している」という内容にします
- 決して比較をしない
- 動を表す言葉を使う
- 感情を表す言葉を使う
- 記述の精度を高める
- バランスをとる
- リアルなものにする
- 秘密にする (P199)
私はこの彼の提言を受け入れられます。悩ましいのは最後の「秘密にする」です。公開情報であるブログはアフォメーションにはならないということです。
受け入れられないこと
彼の言っていることには誇張と疑わしい点があることです。彼の名前を検索すれば「胡散臭い」という記事も上位に出てきます。他者の評価は一旦脇に置き、誇張、疑わしい点は、フォーチュン500社中62%の企業がコーチングの始祖故ルー・タイスのコーチングを受けているとしている点です。さように有名なコーチングの大家なら、なぜ、苫米地氏とタイス氏が共同開発したというTPIEというプログラムの英語情報がインターネット上にほとんどないのでしょうか。
つまり、苫米地氏は、ルー・タイス氏を偶像化することによって自らの権威付けに使っているに過ぎない、そう私は判断します。
下の画面キャプチャは、ルー・タイス氏と苫米地氏が共同で開発したと言う「Tice Principles in Excellence」を英語で検索した結果です。検索結果上位10件のうち、その英語情報は4件、日本語のツイートが1件のみです。トップ表示は、略語辞書のサイト、6件目は掲示板です。中身はありません。それ以外の5件はTICEの略語を使う全く関係のないサイト(うち4件はトルコのサイト)です。一体、どこに「Tice Principles in Excellence」の情報があるのでしょうか?
いや、そんなことはない、フォーチュン500社のうち62%の企業で採用されているというのなら、この検索に代わる証拠を提示いただきたいものです。
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