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思わず図書館で目が合ってしまい、ジャケ借りです。


『トゥーランドット』といえば、トリノオリンピックでフィギュアスケート金メダルを獲得した荒川静香さんがフリー演技で用いた楽曲です。名前は知っているが内容を知らない代表作です。


本書ではジャコモ・プッチーニが19世紀末から20世紀初頭にかけて手掛けた3つのオペラ作品『蝶々夫人』、『トゥーランドット』、『ラ・ボエーム』を、漫画家里中満智子さんが描きました。


『蝶々夫人』

時は幕末から明治維新にかけての長崎。没落藩士の娘蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの切ない恋愛物語です。ピンカートンは蝶々を現地妻として雇ったつもりですが、蝶々のほうは改宗までして、一生ピンカートンと添い遂げようとします。やがて任期満了でピンカートンは帰国、蝶々は妊娠しており長男を出産しました。


3年後、ピンカートンは長崎に戻ってきますが、アメリカ人女性ケイトと結婚していました。まさか自分を待っているとは知らなかったピンカートン。蝶々と顔を合わせることもできない中、ケイトは意を決して蝶々に会います。ピンカートンの子として大事に育てるので子どもを渡してほしいというケイトと、それに応える蝶々。子どもを見送り、蝶々は自殺します。思わずほろっと泣けてしまいました。


『トゥーランドット』

トゥーランドットというのは清朝の皇女です。原作は『千一日物語』の「カラフ王子と中国の王女の物語」という物語だそうです。皇女は求婚者に2つの条件を課します。1つ目、王族の息子であること、2つ目、皇女が問う3つの謎に答えること。答えられぬ場合は、無謀な求婚の咎で死罪。まさにペルシャの皇子が処刑されたその場でトゥーランドットに一目惚れした別の皇子が求婚に挑みました。


無事、3つの謎を解きますが、トゥーランドットは駄々をこねます。そんな皇女に対し皇子も謎を一つ問います。皇女が解けば皇子は死に、解けなければ妻になるよう迫ります。その問いは、まだ名乗っていない皇子の名前を当てよというものでした。


はたして皇女は部下に命じ、名前を調べさせ、やがて皇子の知り合いの奴隷少女リュウを突き止め、拷問により口を割らせようとしますが、口を割りません。なぜかと問う皇女に対し、「愛」と答えるリュウ。皇子はかつてリュウを救った恩人でした。恩人に愛で報いるためリュウは短剣で自分を刺しました。


プッチーニは絶筆したそうで、この後はプッチーニの遺稿をもとに話が続けられます。


なおも皇女に迫り、皇子は皇女と接吻し、自らティムールの皇子カラフであると名乗ります。皇女の冷たい心は解け、皇子の愛を受け入れるのでした。


うーん、この終わり方どうなのだろう。リュウが自殺したところで、美しい悲劇の物語として完成しているのだけど。カラフ皇子より、リュウに報いてやってくれないか?


『ラ・ボエーム』

舞台は19世紀末の花の都パリ。ヨーロッパ各国から芸術家の卵たちがパリに押し寄せてきた時代でした。屋根裏に同居する売れない画家マルチェロ、売れない詩人ロドルフォ、哲学者コルリーネ、音楽家ショナール。クリスマスイブ、ショナールが軍資金を手に入れたところから、4人は街へ繰り出します。ロドルフォは仕事で残り、そこへ病弱な隣の女ミミが火種を借りに訪れ、ロドルフォは一目惚れし、ルチアも連れて他の3人に合流します。


4人+ミミが和むカフェに、マルチェロがかつて愛したムゼッタがカモのおっさんと連れだってやってきます。ムゼッタは靴が痛い、靴を買って来いとおっさんを退け、店の支払いをおっさんに押し付け、6人は店を後にします。


しかし、ロドルフォはミミと別れようとします。子爵の息子がミミに色目を使って気に入らないからというのが表向きの理由ですが、ロドルフォはミミの病気を貧乏な自分では治してあげられないと悔やんでいました。ロドルフォの下を離れるミミ。

しかし、ムゼッタがミミを4人の屋根裏部屋に連れてきます。病気が悪化し咳き込むムゼッタ。みんなに見守られながらミミはこの世を去りました。


巻末には本書の解説が掲載されています。イタリア・オペラの系譜は、ロッシーニ(1792年-1868年)、ヴェルディ(1813年-1901年)そしてプッチーニ(1858年-1924年)となりますが、19世紀になってもなお革命で揺れた時代を過ごしたロッシーニ・ヴェルディに対し、プッチーニが大成した19世紀末から20世紀初頭は、ヨーロッパが最も華やいだ時代です。オリエンタリズム・ジャポニズムが流行り、若者は退廃していました。そんなヨーロッパ人の世界観から見た日本、中国、若者たちが、それぞれの作品に色濃く投影されているとのことです。


なお、里中満智子さん作画のマンガ名作オペラシリーズは他に、『ニーベルングの指輪』、『椿姫』、『カルメン』、『フィガロの結婚』、『サロメ』、『トスカ』があります。マンガならこのシリーズ、読破できるかもしれません。



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