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【書評】『自民党 価値とリスクのマトリクス』~政治家について語るなら政治家の本を読め!~ : なおきのブログ


当ブログでも、政治家の本音を知りたければ著書を読めということを繰り返し述べてきました。なぜなら、本音が赤裸々に述べられていることが多いからです。たとえ口述筆記だとしてもです。



菅義偉はいかなる人物か?


菅義偉首相の唯一の著書『官僚を動かせ 政治家の覚悟』は、残念ながら売切れで入手不可能になりましたが、本書『自民党 価値とリスクのマトリクス』の著者中島岳志氏は、目次に掲げている自民党政治家たちの著書を全て読んだ上で、重要箇所を引用しながら解説してくれ、そのうちの一人が菅義偉首相で、『官僚を動かせ 政治家の覚悟』の記載事項も垣間見ることができます。引用します。


「人事権は大臣に与えられた大きな権限です。どういう人物をどういう役職に就けるか。人事によって、大臣の考えや目指す方針が組織の内外にメッセージとして伝わります。効果的に使えば、組織を引き締めて一体感を高めることができます。とりわけ官僚は「人事」に敏感で、そこから大臣の意思を鋭く察知します。」(『政治家の覚悟』) ー 63ページ


つまり、人事権の行使こそが官僚を動かす政治家の役割であると喝破しており、官僚は政治家の意志を人事によって知る、つまり「忖度」することが役割だと言わんばかりです。「忖度」を批判するメディアは、この菅義偉氏の腹の内を分かった上で批判しているのならいいのですが、知らずに批判しても批判される方は百も承知のことで、痛くもかゆくもありません。



日本学術会議の会員任命拒否問題

この菅義偉氏の主張を鑑みるに、前川喜平氏の更迭は当たり前で、現在話題になっている日本学術会議の会員任命拒否も当然のことと言えます。拒否された方々の顔ぶれを見ると、2015年の安保法制、2017年の共謀罪を強く反対した方々です。内閣の方針にそぐわない人を内閣総理大臣が任命するという状況が生じれば、そのほうが違和感を感じます。



世間一般にはあまり知られておらず、私自身もよく知らなかった日本学術会議について、少し調べてみると、橋下徹氏、舛添要一氏ら、存在意義を疑う意見は出てくるし、学者による選挙があるわけでもないのに学者の代表面されては困るという学者の意見も続々と出てきます。そしてどうやら、菅義偉首相は、日本学術会議が軍事研究禁止方針を掲げたことを問題視していることが浮き彫りになります。



菅義偉氏は、安倍晋三氏のように感情の起伏をあまり表には出しませんが、官僚人事には辣腕を振るってきた方です。日本学術会議の会員任命拒否問題は、恐らく端緒に過ぎません。彼が掲げた縦割り行政の打破、行政のデジタル化推進、通信費削減、地域金融機関再編について、その方針を忠実に実行する官僚を登用し、そぐわない者は排除されていくことになります。


政治主導の在り方の是非

縦割り行政の打破、政治主導は1990年代からの国民の希望でした。2001年の官公庁再編、2004年の高速道路民営化、2005年の郵政民営化の是非を問う衆議院解散総選挙、2014年の内閣人事局設置は、国民の希望に沿ったものであり、現在進行形の内閣による官僚は日本学術会議への人事介入もまた、その延長にあると言えます。


果たしてそれが国民の望んだとおりなのか、どこか乖離が生じていないのか?国民にとってはその検証が必要です。しかし悲しいかな、メディアには政治主導の在り方を問う評論はほとんどなく、忖度や人事介入という表面的な批判に終始しています。そんな体たらくである限り、菅義偉氏の足元にも及びません。メディアの怠慢を国民は薄々感づいています。メディアや野党の表面的な批判に惑わされることなく、ことの真贋を正しく見抜く智慧は持っておきたいものです。


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菅義偉氏の著書


文藝春秋から新書からされるようです。


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