生涯現役社会のつくり方 (ソフトバンク新書)
横石 知二
ソフトバンククリエイティブ ( 2009-02-17 )
ISBN: 9784797350111

<目次>
  • はじめに
  • 第1章 年金受給者から納税者へ
  • 第2章 高齢化しても医療費は少なく
  • 第3章 高齢者は「うば捨て山」ではない
  • 第4章 老後を将来に
  • 第5章 認知症予備軍から数字に強い高齢者へ
  • 第6章 高齢者とパソコン
  • 第7章 高齢者が自立できる環境づくり
  • おわりに


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いい意味で裏切られました。

我々の世代(40代)は、生涯現役を目指さないといけないだろうと思っています。少子高齢化により、国の社会保険負担が増してゆき、一人当たりの年金受給額が減り、医療費負担が間違いなく増えるからです。金利上昇などの劇的な財政悪化を免れたとしても、現在の70代の年金受給率の3分の2程度になる(所得代替率が60%から40%に悪化する)と、野口悠紀雄氏は述べています。



まぁ、そう言ってしまうと、生涯現役というのは、消極的な理由になってしまいますが、本書で掲げている生涯現役は、もっと積極的な理由です。


舞台は、徳島県勝浦郡上勝町。高齢化率が50%を超えるような、地方消滅最前線の町です。


上勝町の人口分布
上勝町人口分布
画像出典:上勝町 - Wikipedia


そんな上勝町のお年寄りは、大変イキイキしています。なぜなら、毎朝起きると、やらないといけないことがあるからです。


「病は気からと言うだろ。80にもなったらな、手や腰や脚は誰でも痛い。痛くないところはない。でも朝起きたとき、今日はこれをやらないかん、あれをやらないかんと、やることがあったら、この痛さが消える。これが不思議なもんでよ」 (P49)


本書の著者・横石知二氏が上勝町に持ち込んだ葉っぱビジネス。他の農作物と違い、葉っぱならお年寄りにも持ち運びの負担がほとんどありません。葉っぱは料理の装飾用・いろどり用に出荷されます。そして、葉っぱの値段は日々変動します。どの葉っぱがいつ儲かるか、そこから逆算して、いつ収穫するのか、いつピークを迎えるように育てるのか、そうした考えを張り巡らせます。毎日毎日考えるようになります。


上勝町では、約200名のお年寄りが葉っぱビジネスに勤しみます。お年寄りが元気になったことで、一人当たりの老人医療費の削減にも成功しました。



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一人当りの老人医療費
  • 全国平均:756千円
  • 上勝町:630千円


老人福祉というと、病院、デイサービスセンター、老人ホームなど。これらは箱もの行政で、お年寄りを一ヵ所に集める施策です。一ヵ所に集めることによって効率アップを狙っているのでしょうが、ある意味、お年寄りの個性を奪うことにもなりかねません。


上勝町では、集合体としてのお年寄りではなく、お年寄り一人ひとりの「個」に焦点を当てています。


いまの高齢者福祉ではお年寄りに対して共同的な発想を持っていますが、そうではなく「個」に目を向けることがポイントです。 (P70)


それぞれの葉っぱビジネス従事者は、よきライバルであり、競合関係にあります。お年寄りが活躍できる機会、活躍できる「出番」があり、仕事を通じて「評価」され、それが自信につながり、イキイキとした笑顔になっていく。仕事のない65歳よりも、仕事のある85歳のほうが若々しい。そうありたいものです。


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