中国・韓国が反日である理由

隣国との関係悪化の背景にはそれぞれの国民の愛国心があります。愛国心は敵愾心の裏返しでもあるからです。この愛国心の背景には何があるのだろうか?とずっと疑問に思っていました。なぜ中国は日本のみを恨むのだろうか?なぜ、アヘン戦争をしかけたイギリスは恨まないのだろうか?そしてなぜ韓国は日本のみを恨むのだろうか?いくたびも中国に蹂躙されていたのにもかかわらず。


そんな疑問をずっと持っていました。HONZの記事に遭遇して、ひょっとするとその答えがあるのではないかと期待し、読んでみたわけです。ありました、その答えが。



日中韓で愛国心が芽生えたのが、日清戦争前後でした。アヘン戦争当時、中国人には愛国心はありませんでした。だから、今も中国人はイギリス人を恨んでいません。愛国心がなければ、為政者は忠誠を示す対象ではなく、どちらかというと搾取者です。当時の香港人からすれば、為政者が北京の皇帝からロンドンの女王に変わったことぐらいで、自分たちの生活にはほとんど関係なかったのでしょう。


日清戦争の風刺画

この画像は、著作権の保護期間が満了しているためパブリックドメインの状態にあります。


韓国人が反日の理由として掲げることのひとつとして、「ハングルを奪った」というのがあります。しかし事実は違ったようです。本書から引用します。


日本による植民地化が進行する中で、ハングルは補助的な文字から民族を代表する文字へと意味が変えられてゆきます。


ハングルの普及には、福澤諭吉門下の井上角五郎の助力があったと言われます。識字率が向上してはじめて、国民は国家を論ずることができるようになります。図らずも、日本による統治が、韓国人の愛国心醸成に寄与してしまったようです。


中韓両国の愛国心の醸成経緯を俯瞰すると、反日が表裏一体となって固着しており、いかに日本が正当性を主張し中韓の不当を説いたところで、なかなか中韓の反日認識を払拭することは難しそうです。


中韓 vs 日米という様相を呈してきましたので、極東があらたな世界の火種にならぬよう、注視しておく必要がありそうです。中韓 vs 日米の様相は、以下の日経ビジネスの記事を読むとわかりやすいです。



黒船来航

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The below picture was taken in 1853 in Yokohama. US Commodore Perry with six large steam boats which we call "KUROFUNE"(black ship) came to Japan as a representative US President in order to enter diplomatic relations between USA and Japan. 15 years later, MEIJI revolution broke out with few bloodshed. In the background, "patriotism" was created from 17th century to 19th century among SAMURAI society. KUROFUNE was the trigger that patriotism denied feudalism and construct constitutional monarchy.


尊皇攘夷と明治維新のなぞ

期せずして、本書において、尊皇攘夷の謎が解けました。安易な歴史書・歴史マンガなどを読むと、あたかも倒幕を目的として尊皇攘夷が描かれていることが多いです。しかし、尊皇攘夷の最右翼は水戸徳川家でした。なぜ、親藩の水戸家が倒幕を企てる必要があったのでしょうか?それはどう考えてもおかしいし、尊皇攘夷からどうして倒幕へと時代の機運が盛り上がったのか、ずっと不思議に思っていました。


ありました。その答えが。下地と直接のきっかけがありました。


直接のきっかけは、日米修好通商条約の締結前に、老中堀田正睦が朝廷に条約勅許のお伺いを立てたことでした。政治は幕府が握っていたのですから、朝廷にお伺いを立てる必要がなかったのに・・・・結果的に井伊直弼が大老に就任し、お伺いを反故にしたかたちで、条約を締結します。


当時、17世紀に徳川光圀が編纂した大日本史等により、国学が大変な発達を遂げ、国学を学んだ多くの武士階級は、封建領主である大名の上に、「日本」という国家を強く意識しはじめました。その国家としての日本の象徴こそが万世一系の天皇家であり、尊王思想が醸成されます。


そんなタイミングで、皮肉にも幕府が朝廷に条約締結のお伺いを立ててしまったために、尊王思想を持ち合わせていた武士階級は、初めて、幕府に異を唱えるようになってしまいました。19世紀になってからも、大塩平八郎、渡辺崋山、高野長英らが、幕府に鎮圧・弾圧されており、それまで、大手をふるって幕府に楯突くことはできませんでした。しかしこの条約勅許問題が、幕府と志士たちが対立するきっかけを生んでしまったようです。


<目次>

第1講 愛国 一

第2講 愛国 二

第3講 革命 一

第4講 革命 二

第5講 民主 一

第6講 民主 二

あとがき


幕末関連のおすすめ本




幕末を知る名作中の名作です。



『逝きし世の面影』と同じ渡辺京二氏の著作です。



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