私の参加しているコミュニティ『EGMフォーラム』には、「招待者責任制」というグランドルールがあります。『EGMフォーラム』は会員限定の閉じたコミュニティですが、入会するには、既存メンバーからの招待が必要です。これはほとんど(おそらく全ての)閉じたコミュニティのルールだと思います。


こうすることによって、招待者が新たな入会者の信用を保証することにつながります。つまり、連帯責任を負うことになります。それが「招待者責任制」です。新たな入会者が万が一問題を起こした場合、招待した人の責任になります。「イチゲンさんお断り」というのも、「招待者責任制」の一種です。


招待者責任制の企業取引



一昨昨日、ねとらぼでバズっていた秋山鉄工株式会社のホームページの「お見積もり」を見て、まさしく「招待者責任制」を地に行くような企業だと思いました。引用します。


イチゲンさんのお見積もりはお断りいたします。

初めての方は、どなたかの紹介が必要です。

「安さ」だけを求める方はお断り。


こういう人たちの特徴を申し述べます。


1.見積もりはタダだと思っている。

実はものすごい手間のかかることなのです。


2. 安くできるところだけを探している。

自分の給料が高すぎることに気がついていない。


3.自分から希望価格を言わない。

そのくせ見積もりを出すと「高い」と言う。


コミュニティ的要素を取り入れた企業


社会学において、「コミュニティは自然発生的なゲマインシャフト、企業は人工的なゲゼルシャフト」という二極論があります。かつての日本企業は、企業が村社会や家族を体現したゲマインシャフト的な要素がありましたが、1990年代以降、企業と社員の関係性はドライなものになってしまいました。リーマンショック後、ゲマインシャフトへのゆり戻しが起きていると感じます。


秋山鉄工や以前ブログで取り上げた中里スプリングのような企業への共感が生まれるのは、その証拠と言えます。



嫌な取引先は切ってよい


人間社会の真理


私が参加しているEGMフォーラムというのも、まさにコミュニティ的要素を企業に取り入れようとしているメンバーの集まりです。コミュニティ的要素こそが、企業を持続可能なものにしていくと、確信しています。それは、人と人との信頼関係に依拠しているからです。


太原雪斎は幼少の徳川家康に説きました。信、食、兵のいづれが大事であるかと。食よりも信であるというのが雪斎和尚の教えです。このブログ記事を書きながら調べたのですが、このオリジナルは「無信不立」という論語のようです。人間社会の真理は、2000年来、変わっていないと言えます。




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