<目次>
- 総論 「ミュシャ芸術の本質――祖国を愛した時代の寵児」
- Chapter1 パリでの飛躍 挿絵画家からポスター作家へ
- Chapter2 パリ時代II ポスター画黄金期
- Chapter3 祖国のために アメリカからチェコへ
- Chapter4 《スラブ叙事詩》 祖国への祈り
- 年表―ミュシャの生涯と作品
先月、鑑賞してきた「ミュシャ展」。
本書の出版が2016年12月で、しかも4章の構成が「ミュシャ展」の構成と同一です。本邦初公開となる『スラブ叙事詩』シリーズは、日の目を見たのが2012年、そして初めてチェコ国外に運び出され、その行先となったのが日本です。日本でミュシャの絵画・版画をもっとも多く所蔵しているであろう堺アルフォンス・ミュシャ館協力の下に完成した本書は、まさに現在開催されている「ミュシャ展」に照準を合わせて出版されたようです。
900円というお値段で、堺アルフォンス・ミュシャ館所蔵の絵画・版画や『スラブ叙事詩』シリーズなど、フルカラーで余すことなく紹介されており、ミュシャ・ファンの私としては、非常に満足度の高い本です。
この本、900円で出してしまっていいのか?本当は2000~3000円とらないといけないのではないか?という気がします。死後50年を過ぎているため、もちろん著作権は切れているものの、芸術的価値の高いミュシャの絵画・版画。堺市もチェコ共和国もプラハ国立美術館も、ロイヤリティを放棄されているのでしょうか?このお値段で新書を出していただいたことに、御礼を申し上げます。
また、本展示会を企画されたキュレーターの方にも厚く感謝の意を表したいと思います。
本書は、品川読書会でも紹介しました。
Amazonで検索すると、いくつかジグソーパズルが出てくるんですが、プレミアム価格がついているものもあります。図柄としては、1896年の『四季』や、『四芸術』、『果物』と『花』、『一日の四つの時』、『四つの星』、下の『四つの花』などが好きです。
エンスカイ ( 2012-12-21 )
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