片方を聞いて沙汰するな、ということを信条にしています。先日行われた大阪都構想の住民投票についても言えます。住民投票前に読了する予定だったんですが、ちょいと遅れてしまいました。間が抜けてすみません。



ガチ真っ向勝負なタイトルの本、立派な反論を少しは期待したのですが・・・・まことに残念です。反論をタイトルに掲げた本というのは、やっぱり外れが多いです。


本書の残念な点1


本書の残念な点は2つ。まずこれ。目次。


<目次>

はじめに

第1章 大阪都構想ー氏ってほしい「7つの事実」

 事実0 今回の住民投票の対象は「大阪市民」、それ以外の「大阪府民」は対象でない

 事実1 住民投票で賛成多数でも、「大阪都」にならず「大阪府」のまま

 事実2 「都構想」とは、大阪市を5つの特別区に分割する「大阪市5分割構想」

 事実3 大阪市民は、年間2200億円分の「財源」と「権限」を失う

 事実4 2200億円が様々に「流用」され、大阪市民への行政サービスが低下する

 事実5 特別区の人口比は東京7割、大阪3割だから大阪には東京のような「大都市行政」は困難

 事実6 東京23区は「特別区はダメ、市にしてほしい」という大阪と逆の議論がある。

 事実7 東京の反映は「都区制度」のおかげではなく、「一極集中」の賜物

第2章 大阪都構想ー知ってほしい「「7つの真実」

 真実1 「都構想」は「一度やってみて、ダメなら元に戻す」は絶望的に難しい

 真実2 堺市はかつて「都構想」を拒否し、自分たちの「自治」を守った

 真実3 「都構想」とは、大阪市民が自分たちの「自治」を失うこと

 真実4 様々な行政の手続きが「三重化」する

 真実5 「都構想」の実現で大阪都新のまちづくりが停滞し、大阪全体がダメになる

 真実6 「都構想」は「大阪」という大切な「日本の宝」の喪失をもたらす

 真実7 「大阪」の発展に必要なのは、「改革」でなく「プロジェクト」

第3章 「大大阪」が日本を救う


事実0・1・2は、たしかに事実です。詳しくは知らないのですが、事実3もおそらく事実でしょう。問題は事実4です。


これ、著者藤井氏の自己解釈にしか過ぎないのですが・・・・自己解釈を「事実」と言うのは、ちょっとご勘弁を。しかも、京都大学の教授ですよね?いいんですかね?京都大学はこんなことさせてて。



本書の残念な点2


第3章には、橋下氏の大阪都構想に対する代替案が提示されているのですが・・・・中央リニア新幹線は、名古屋・大阪開業を同時にせよ、大阪を中心に放射状に新幹線を整備せよとのこと。


藤井氏曰く、大阪が衰退したのは、東京一極集中が原因とのことで、東京を中心に放射状に新幹線が整備されたことが原因とのこと。大阪を中心に放射状に新幹線を整備すれば、大大阪圏が成立し、大阪は発展するとのこと。


あの・・・・この方、何の話をされているのでしょうか???そのような財源がどこにあるのでしょうか?また、大阪は繁栄してまわりは衰退すればよい、という論にしか聞こえませんが。


リニア新幹線は、政府に頼らずJR東海主導で進められています。採算を考慮に入れてのことです。もし、大大阪圏に勝算があるのなら、関西財界が手がければいいだけのこと。


東京を中心にした新幹線が大阪を衰退させたという論理も、そもそも甚だおかしいです。少なくとも、名古屋、大阪、札幌などの政令指定都市は、新幹線開業後も人口が伸び、大阪のように相対的に衰退することはありませんでした。大阪の衰退原因は、新幹線だけが原因ではないように思います。そのことについての考察がほとんどありません。


これが反大阪都構想急先鋒の方の代替案かと思うと、ガックリしてしまいました。


この程度の反対派に敗れたかと思うと、やはり残念だったと思います。



新幹線・基本計画線

画像出典:乗りものニュース


昭和40年代には、こんな新幹線網が計画されましたが、夢のまた夢です。



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