<目次>
  • 第1章 踏みにじられた朝鮮半島
  • 第2章 伝統文化の破壊
  • 第3章 「七奪」の勘違い
  • 第4章 ウリジナルの不思議
  • 第5章 日本は朝鮮人に何も教えなかった
  • 第6章 慰安婦問題
  • 第7章 韓国人はなぜ日本に内政干渉をするのか


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本書を読む動機


先々週から先週にかけて、2つの事件がありました。一つは日韓基本条約を根底から覆す徴用工判決、もう一つ百田尚樹氏の『日本国紀』発売です。



百田氏への誹謗は、史実に基づいていない、歴史学のお作法を踏襲しておらず歴史書ではない、というものです。読んでいないものを批判のしようがありません。そこで、『日本国紀』発売前にさきがげ、先に百田氏が執筆した『今こそ、韓国に謝ろう』には何が書いてあるのかしっかり読んだ上で批評しようと思い至りました。


ポジション


私のポジションを先に述べておきます。韓国の近代史(1876年の開国から1945年の終戦まで)については、複数の本を読了済みです。一冊については書評を書いています。おそらく多くの日本人よりはそこそこ韓国の近代史に通じています。



また、従軍慰安婦問題と言い、今回の徴用工判決といい、過去の条約・協定・合意を反故にする韓国政府の姿勢には、憤りを通り過ぎ、もはや呆れています。



その上で本書『今こそ、韓国に謝ろう』を、史実に基づいて書かれているか、歴史書として相応しいかどうかの批評を試みます。


史実に基づいて書かれているのか?


史実かどうかについて、先の『韓国併合への道』や『「日本の朝鮮統治」を検証する1910-1945』と照らし合わせて分かる範囲で申せばYESです。第1章に書かれている教育、識字率向上とハングル普及、農業生産と工業生産の増加、人口の増加、不潔さ、両班政治の腐敗、第3章の「七奪」の勘違いなど、先の2書と符合します。一方で、第2章の消えてしまった韓国伝統文化については、ほとんどが初見につき判断できかねますが、Wikipedia等と照らし合わせると史実と言えそうです。


消えてしまった韓国の伝統文化


日本のパクリ商品(ウリジナル)

韓国のパクリは由々しき問題です。本書に登場するパクリ商品は知らないものばかりだったので、念のため事実かどうかの再確認をしました。ほぼ事実のようです。


日本のオリジナル 韓国のパクリ商品
かっぱえびせん セウカン
きのこの山 チョコソンイ
カロリーメイト カロリーバランス
KitKat Kicker
リポビタンD バッカスD
16茶 17茶
らんま1/2 ラムバ1/3
マジンガーZ テコンV


イザベラ・バード

明治時代に日本と韓国を旅行したイザベラ・バード。彼女が19世紀末の韓国を描写しています。



しかし、このイザベラ・バードの著書を、韓国は捏造しているようです。


日韓併合した1910年(明治43年)には韓国の識字率は6%だったと言われます。日本では江戸時代後半識字率が30-40%、明治時代末期には100%に近づいていたのとは大きな違いです。


字を読めない者に社会を正しく描写する力はありません。夏目漱石が文壇に登場するのが1905年。漱石がベストセラー作家になったのは、それだけの読者層が日本にいたことを意味します。日韓併合前の韓国の様子が分かりづらいのは、その時代の文学作品がほとんどないことも一因です。結局のところ、当時の人々の佇まいは、イザベラ・バードら外国人が著したものに頼るしかありません。


歴史書として相応しいか


本書を読む目的は、歴史書として相応しいかどうかでした。その結論はNOです。本書に対する失望を禁じ得ません。


これまで読んだことのある百田尚樹氏の著書は『永遠の0』『海賊とよばれた男』の二作品ですが、どちらもすばらしい小説でした。『永遠の0』は完全にフィクションですが、『海賊とよばれた男』は出光創業者の出光佐三をモデルとして描いており、出光佐三の伝記と照らし合わせても、ほぼ忠実どおりです。百田尚樹氏の筆力は称賛に値します。


しかし本書には大変がっかりしました。史実に沿ってその筆力をもって文章を練り上げていけばよいものを、そうはせず、韓国に対し無礼な態度に終始します。本書は野卑であり下品であり蒙昧であり、不必要に韓国を貶めています。結果的に何をもたらしてしまったか。


煽情と史実捏造機会

韓国の近代史に精通しない右巻きの人たちを煽情し、これを歴史書と妄信させ、左巻きの人たちには百田尚樹氏に歴史修正主義のレッテルを、本書にヘイト本のレッテルを貼る口実を与え、さらなる史実捏造の機会を与えてしまいました。たとえばこのリテラの記事です。結果、両者の話がかみ合うはずがありません。


不必要に韓国を貶めるようなことをせずに、史実に忠実にその筆力を持って書き上げてくれれば、『海賊とよばれた男』のような名著にすることだってできたはずなのに。残念です。


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