東京朝活読書会「テーマ:衣」


恵比寿で開催された東京朝活読書会に参加してきました。参加人数は10人でした。先々週の「食」、先週の「住」につづき、「衣食住」シリーズの最後のテーマは「衣」です。



テーマは「衣」なのですが、正直なところピンと着ません。「衣とかけて脱ぐと説く」と勝手に解釈し、紹介した本がこの本です。



女性のまとう衣服の下に隠された曲線美。なんと甘美な香りのする本でしょう。

そう期待したのですが、ところがどっこい・・・・


<目次>

はじめに

1 科学における謎と「なぜなに物語」

2 なぜ月経があるのだろう

3 隠された排卵

4 女性にはなぜ乳房や曲線があるのか?

5 謎めいたオーガズム

6 閉経の不思議

エピローグ-リンポポの魅力

訳者あとがき


サブタイトルを見落としていたかもしれません。『進化論で読む女性の体』とありますとおり、進化生物学のまじめな学術書でした。タイトルに反して、曲線美は乳房についてのみ言及され、それ以外は女性特有の生理現象が中心の本です。通勤時間中、私は電車の中でそんな本を読んでいたのです。周囲に知られたら単なる変態でしょう。


乳房の不思議

まぁ、それはよいとして・・・・読み進めることにしました。女性の体における5つのなぞ。それが目次にあるとおり、「月経」、「排卵」、「乳房」、「オーガズム」、「閉経」です。「乳房」を例にとって少し説明を試みてみます。


乳房が何(WHAT)で構成されていて、どのようなどのような働き(HOW)をするのかは医学的にわかっています。しかし、人類、ホモ・サピエンスの乳房がなぜ(WHY)今日のような形へと進化をしたか、実のところ分かっていないようです。近縁種である類人猿の乳房と比べても、人の女性の乳房はふくよかな形をしています。母乳を与えるというのが役目であるならば、母乳を与えていない期間は、必ずしも膨らんでいる必要はありません。しかし、赤ん坊を育てていようがいまいが、大人の女性には乳房があります。ひょっとすると、男性を喜ばすためなのでしょうか?それはそれでうれしいのですが・・・


こんな具合にいろいろな仮説が立てられていきます。どんな仮説かというと、4章の見出しから引用すると、こんな仮説です。


<乳房の仮説>

  • 「臀部擬態」仮説:対面性交を促す
  • 「浮き」仮説:水性類人猿
  • 「カロリー貯蔵」仮説1:食物貯蔵庫
  • 「カロリー貯蔵」仮説2:脂肪の貯蔵と「適度な肥満」信号
  • 「詐欺」仮説:授乳能力を保証してみせる
  • 「食物供与」仮説:母親を擬態し男性から援助を引き出す
  • 「実用的な授乳装置」仮説:二足歩行への対処
  • 「正直な信号」仮説1:WHRとリリーサー
  • 「工学的設計」仮説:重さの釣り合いを取る
  • 「正直な信号」仮説2:左右対称の評価
  • 「正直な信号」仮説3:適齢期評価(ゴルディロックス仮説)
  • 「正直な信号」仮説4:他の女性向け
  • 「たくましい娘」仮説1:望ましい娘たちの進化
  • 「たくましい娘」仮説2:ハンディキャップの進化
  • 「羽飾りのある雌」仮説:父親としての投資を求めて


分からないからこそ魅せられる

通常、科学は仮説を立て、実験により検証されます。しかし、進化生物学はそうは行きません。人類の一世代は約30年かかります。何世代にもわたって検証しようとするのは実質不可能です。他の科学分野と異なり、進化生物学は、仮説中心でしかありません。つまり・・・


本書は、女性の体の謎に迫ることをテーマに掲げておきながら、あらゆる可能性を提示しつつも、何一つ回答を提示してくれないのです。


しかし、分かってしまったらおもしろくありません。もし、理由が分かってしまったら、幻滅してしまうかもしれません。それに、母乳で赤ん坊を育てる機会がほとんどなくなってしまった現代、尾てい骨にあったであろうしっぽと同様に、人の女性の乳房が本来の目的に利用されないからと退化してしまったら、そんな悲しいことはないではありませんか?


なぜそこに膨らんでいるのか、分からないからこそ女性の曲線美に魅せられてしまいます。


同様の科学書

人体に迫る魅惑的な同様の科学書を2冊ほど・・・


なぜ人はキスをするのか?
シェリル・カーシェンバウム
河出書房新社 ( 2011-04-19 )
ISBN: 9784309252490


2年前に衝動的に読んでしまった本です。結局、なぜ人はキスをするのかというのも、あれやこれやいろんな仮説がありますが、実のところはよく分かっていないというような話だったと思います。


おっぱいの科学
フローレンス ウィリアムズ
東洋書林 ( 2013-08 )
ISBN: 9784887218147


まさかの新刊。まだ読んでいません。これから読もうかな・・・

この本、通勤時に読めるでしょうか。困りました。



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