<目次>
  • はじめに
  • 第一章 人生が破壊された超人気AV女優
  • 第二章 納得して出演している女性ばかりじゃなかった
  • 第三章 歌手になりたくてAV作品に出演
  • 第四章 人間扱いされないAV女優たちの絶望の系譜
  • 第五章 普通の女の子をAV女優に導く暗黒のスカウト最前線
  • 第六章 「AV女優に人権を」業界でただ一人動いた元AV女優
  • 第七章 AV業界が消える前に
  • 第八章 強要問題はAV女優の反乱だった
  • おわりに


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【書評(18禁)】『AV女優消滅』(その1) : なおきのブログ


前項では、本書には「強要」のリアルが描かれていることを述べました。要約すると次のようになるかと思います。


  • 強要の舞台はスカウト。トップクラスの単体女優は応募では得られずスカウトに依存。
  • 芸能界・歌手デビューで誘い込み、信用させた上で追い込む。
  • 狙われやすいのは東京に縁のない地方からの上京者。


たしかに、元芸能人、元グラビアアイドル、元コスプレイヤーという経歴のAV女優のなんと多いことか。



なかには引退後もソーシャルメディア上で活躍を続ける元AV女優もいますが、かなりの割合で引退宣言もせず突然消えていきます。自分が置かれている状況を悟り、突然去って行ったとも考えられます。


背景についての考察


2016年ごろからAV強要問題が噴出した背景について考察してみたいと思います。


ブラックを許さない風潮

本書を読んでみて、これは他のサービス業でも程度の差こそあれ、同じような実態があるのではないかと思います。それがここ1~2年、ブラック企業やセクハラの告発が相次ぎました。#METOOのように、今までもみ消されていたものが表に出るようになりました。


背景には、ソーシャルメディアがいよいよ社会に定着し、一個人が情報を発信しやすくなった、一個人の情報発信に世間が耳を傾け、耳目を集めることも可能になったことがあるのでしょう。


AV市場の縮小・報酬の下落

15年ぐらいのスパンで考えると、市場が縮小し、AV女優の報酬の下落があったのではないかと思います。強要的な問題は以前からあったとしても、報酬が高ければ、後ろめたさも手伝い口を噤んでしまったかもしれません。しかし今やかなりの薄給です。我慢しなければいけないほどの報酬を得ているわけではありません。


格差や著しい非対称性が存在して、経済的不平等が蔓延する社会は長続きしない。これまでAV業界は、一般社会と比較して高い賃金を女性たちに支払っていたので、歪な現実があっても決壊することなく、ギリギリまわっていた。そして深刻な不況に陥って、女性たちのリスクや働きに見合うお金を払えなくなり、それを埋めるためにポエム的な嘘や洗脳を駆使するようになり、さらに自己責任を押しつけて、最終的にAV女優たちが反乱を起こして壊れてしまった。 (P231)

  • 注:「ポエム的な嘘」とは、芸能界・歌手デビューができること。


浄化


さて、本書でも触れられていますが、2017年4月に「AV業界改革推進有識者委員会」という委員会が立ち上がりました。本書の出版後(2017年9月出版)、その成果として意見書・提言が12月に発表されました。検索すると、すぐに見つかりました。



出演の在り方のルールを定め、また引退後の削除のルールを定めるというものです。仮に、業界の自浄作用が働き、このルールを遵守したら、強引なスカウトは不可能となります。強引なスカウトをせざるをえなかった背景は、自主的な応募だけではトップクラスのAV女優を確保できなかったからです。ルール遵守はAV女優の質の劣化を招くかもしれません。


一方、作品削除のほうは、業界だけの自助努力では不可能なように思います。インターネット上に溢れているのは著作権を無視した無断投稿だからです。


展望


展望1)Googleが対策に乗り出す

無断投稿を排除するには、1.ホスティングサイトが著作権違反のサイトを追放し、2.Googleなどの検索エンジンが違法投稿の検索がひっかからないようにする、というのを待つ必要があります。


数年以内にGoogleは対策に乗り出すと期待したいです。フェイクの医療情報サイトを駆逐してくれたように。


展望2)ソーシャルメディア活用による「繋がり」

強要問題が起きる原因の一つは情報遮断でした。しかし実際、現実を見てみると、多くのAV女優がTwitter、Instagramを使っています。もちろん使っていないAV女優も多いです。彼女らのツイートを見ていると、他のAV女優と普通に交流している様子がうかがえます。ソーシャルメディアを使いこなすリテラシーがあれば、情報遮断され、孤立するなどということがないように思うのですが、いかがなのでしょうか?


本書で書かれている強要の事例は、7年、10年前のものもありました。当時はTwitterは主流ではありませんでした。今、そして今後は、情報遮断が起こりにくくなり、業界の土壌が改善されるのではないかと思うのですが、甘いでしょうか?


とりとめない駄文になってしまいましたが、いったん筆を置きます。


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