<目次>
  • 第1章 儲かりまくった狂乱の日々
  • 第2章 AV業界の周辺に暗躍する怪しい面々
  • 第3章 モザイクの向こうのAV女優
  • 第4章 「毎日セックス漬け」AV男優という職業
  • 第5章 「レンタル VS セル」逮捕者続出の仁義なき戦い
  • 第6章 国境を超えるアダルトビデオ
  • あとがき


最初にお断りしておくと、本書は「ビジネス書」です。これまでもAV関連の本は読んできました。


ブログ記事の目次
  1. 魑魅魍魎の世界
  2. 斜陽産業
  3. 本書の提言
  4. 私の提言



これまで読んだ本はすべて、AV女優にフォーカスしているのに対し、『AVビジネスの衝撃』は、「ビジネス」にフォーカスしています。そして、タイトルにある「衝撃」とは何かというと、大きく分けて二つあるのではないかと思います。一つ目は、1980年代の黎明期から1990年代の全盛期まで、魑魅魍魎の世界だったこと。そして二つ目は、2000年代以降の凋落ぶりです。


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魑魅魍魎の世界


かつての歌舞伎町も魑魅魍魎の世界でした。「儲かりまくった狂乱の日々」、「AV業界の周辺に暗躍する怪しい面々」というタイトルが如実に著しています。


1980年代、1990年代に一世を風靡した人といえば、村西とおる監督、AV男優という職業を確立した太賀麻郎、ブルセラビデオを販売し、「ぶっかけ」というジャンルを作った松本和彦、薄消しの奥出哲雄、レンタルから販売へ業界を転換した「ビデオ安売り王」の佐藤太治、AV女優では黒木香、薄消しに出演してしまった小室百合、AV出演後にテレビ局に就職し炎上した麻生香など。


村西とおる氏は、怪しげな面々に45億円もの借金をし、命を追われるような身になるし、そんなことを本書でばらして著者の命は大丈夫だろうかと心配にもなります。また、村西とおる氏に限らず、AVビジネスに参入する者たちは、怪しげなところから資金を調達します。返済を渋れば、マスターテープが持っていかれ、裏市場へと流出する、というカラクリだったようです。


とはいえ、2000年以降、AVの制作・流通は、企業化され、DMM、SOD、プレステージの三社に寡占化されたことによりコンプライアンス強化もされ、かつてのような違法、違法まがいのようなことはほぼ撲滅され、浄化されたようです。今年になってからAV出演強要事件が騒がれていますが、今やAV女優は、志願しても採用される確率は14%とのことで、リスクを冒して出演強要するのは全く無意味とのこと。


斜陽産業


さて、業界が浄化され、クリーンになったのはいいのですが、恐ろしいほどまでに業界がシュリンクしています。最大の理由は、インターネットの影響です。発売後すぐに違法コピーされてしまい、販売額が減ることになっています。


もっとも、インターネットだけが原因ではありません。本書に書かれていませんが、恐らく若者の人口減少も一因でしょう。若者、AVって買う?買わないでしょう。


本書では、質的な変化についても言及しています。かつては、ストーリー性のある良質な作品が多かったのに、最近は、性描写のみにフォーカスしているとのこと。本書では言及されていませんが、この理由は、媒体の変化が原因ではないでしょうか?ビデオテープだった時代は、前から順番に見るしかありませんでしたが、DVD以降は、見たいシーンへ直接ジャンプできます。ストーリー描いていても飛ばされてしまいますよね。


そして、こちらのほうが凋落の真の理由かもしれません。それは、ビジネスモデルが確立できなかった、ビジネスを創出する人物を輩出できなかった、という点です。


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本書の提言


しかし、機会が全くないわけではありません。それは、中国をはじめとするアジア市場での、すさまじいほどの人気です。蒼井そらさんは、中国版TwitterであるWeiboで1500万人以上のフォロワーがいます。タイで出演した映画は、タイで人気を博し構成比さたとか。


私もシンガポールに駐在していたので分かるのですが、日本人女性に対する憧れはものすごいです。シンガポール人、中国人と比べると、肉食系が増えたとは言え、日本人のほうが総じてお淑やかです。裏を返すと、日本人目線で見ると、アジアの女性は「ガサツさ」が目につきます。


そんな清楚な淑女と思っていた日本人女性が、AVでは淫らな喘ぎ声をあげるわけですから、アジアの男性陣は熱狂せずにはいられません。激しい妄想にかられるでしょう。


アニメやコスプレ同様、クールジャパンとして輸出できる文化と言えます。課題は、それがマネタイズできていないこと。だって彼らはインターネットで違法コピーを無料で見ているわけですから。


私の提言


さて、ここからは、本書でも一部触れられてはいますが、私の考え中心に述べますと、AKB48商法でいくべきではないでしょうか。


音楽産業全般でも言えることだと思いますが、インターネットの登場により、アルバムが売れなくなり、1曲ずつがインターネットで切り売りされるようになり、単純な売上という点では激減してしまいました。音楽販売最大手のAVEXの売上構成比を見ると、音楽が約40%で、ライブが約35%、映像が約25%を占めます。


もちろん、AV女優のライブとなると、すなわちストリッパーということになり、中国ではご法度です。しかし、AKB48のように「握手券」商売であれば、十分成り立つように思います。AKB48でも、一人数万円、数十万円もCDを買うファンがいるように、AV女優の握手券を数万円、数十万円買う中国人ファンもいるんじゃないかと思うのですが。


アダルトを販売できない中国では握手券を販売し、握手だけ。プレミアム握手券も販売し、そこには日本でのストリップ招待券付。そうすれば、違法コピーしか見ない中国人相手からも、十分、お金を頂戴できるように思います。


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DMMによると、現在一番人気のAV女優
高橋しょう子

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