TRACKING


本書の現代『THE INEVITABLE』。「不可避」を意味します。もはやFILTERINGが不可避であるように、TRACKINGも不可避です。


インターネットは世界最大最速のトラッキングマシンで、それに触れたものは何でもトラッキングされる。インターネットはすべてのものをトラッキングしたがっているのだ。 (P340)


Googleなどの検索エンジン、FacebookやTwitterなどのソーシャルネットワーク・ソーシャルメディア、Amazonや楽天などのECサイト、これらはすべてのトラッキングマシンで、我々がなぜそれを検索したのか、何をクリックしたのか、何を買ったのか、すべての行動をトラッキングしています。


何が問題なのか?


TRACKINGが問題なのは、関係が非対称だからです。トラックする者、される者との間で。


今日、トラッキングされることを不快に思いがちなのは、誰が自分のことを見ているのかがほとんど分からないからだ。相手が何を知っているのかも知らない。その情報をどう使われるかについて何も言うことができない。それを正す責任が相手にはない。相手はわれわれを撮影するが、われわれは相手を撮影できない。それに、監視されることの利点も曖昧でよく見えない。つまり関係性のバランスが悪く非対称なのだ。 (P344)


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TRACKINGの目的


現段階のGoogle、Facebook、Twitter、Amazonなどのトラッキングは、たかが知れています。彼らの目的は、売上を最大化させること。Amazonは直接の物販によって、Google、Facebook、Twitterは、広告によって。Amazonのリコメンドはまだましな方ですが、Google、Facebookのターゲティング広告の精度はまだまだ低いです。しかしいづれ、その精度は劇的に向上していくと思われます。なぜか?それは彼らの目的がそこにあるからだと著者のケヴィン・ケリー氏は「COGNIFYING」の章で喝破します。


一見すると、グーグルはその収入の80%を検索サービスから得ているので、検索機能の充実のためにAI企業の買収を強化しているように思われるかもしれない。しかし私は逆だと思う。AIを使って検索機能を改良しているのではなく、検索機能を使ってAIを改良しているのだ。あなたが毎回、検索語を入力し、その結果出てきたリンクをクリックしたり、リンクをウェブ上で新たに作ったりするのは、グーグルのAIのトレーニングをしていることになる。 (P52)


収益を最大化するためにTRACKINGを駆使し、AIの精度向上に励んでいる真っ最中と言えるでしょう。


このことなら許容できるかもしれません。


しかし、TRACKINGしている相手が、政府であったり、反政府組織、犯罪組織だったらどうでしょうか。第二次世界大戦後から、アメリカ政府はエシュロンを使って諸外国の情報を盗聴していたと言われます。共産主義国では、国民を監視していました。そして日本では、「マイナンバー」という政府による国民監視システムが立ち上がりました。利用目的が善意であってほしいと願いますが、そこに悪意を孕んでいても、見抜けるものではありません。



TRACKINGの不利益、SHARINGの利益


一方で、私もこうしてブログを書いていますが、ある部分、プライバシーがダダ漏れの状態にあります。


現在のソーシャルメディアが教えてくれるのは、シェアしたいという人類の衝動が、プライバシーを守りたいという気持ちを上回っているということだ。 (P347)


悪意による監視の可能性よりも、シェアすることによる利益のほうが、圧倒的に大きいということでしょうか。というのは、一般的に、利益と損害の度合いが同じ場合、人間は確実に損害を回避しようとします。もし、「ポジティブ心理学」の3:1の法則が当てはまるのなら、シェアの利益は監視の不利益の3倍以上大きいということになります。



つづく


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TRACKING_vs_SHARING





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