<目次>
  • はじめに
  • 1 BECOMING
  • 2 COGNIFYING
  • 3 FLOWING
  • 4 SCREENING
  • 5 ACCESSING
  • 6 SHARING
  • 7 FILTERING
  • 8 REMIXING
  • 9 INTERACTING
  • 10 TRACKING
  • 11 QUESTIONING
  • 12 BEGINNING
  • 謝辞
  • 訳者あとがき




「その6」を書いてから、だいぶ時間を空けてしまいました。本書に関する7本目の書評をお届けします。11章 QUESTIONINGについてです。


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視聴コストと検索コスト


なぜ、Googleのインターネット検索機能を無料で利用できるのか、考えてみたことがあるでしょうか?同じことはテレビについても言えますが、テレビがなぜ無料で視聴できるのか、簡単に説明すると、次のようになります。


放送にかかるコストを広告収入が上回っているからで、テレビ放送会社や広告代理店はそうした収益を得ていますし、広告主も、結果的に自社製品やサービスを販売し、収益を上げることで元が取れています。テレビ広告には視聴率に応じた金額が設定されており、広告収入>放送コストとなっています。


インターネット検索も同様で、広告収入がサービス提供コストを上回っているから成り立ちます。テレビとの違いは、その金額の差異です。


本書の著者ケヴィン・ケリー氏の計算によると、2007年時点で、Googleでの1検索当りの検索コストは0.3セントなのに対し、1検索当りの広告収入は27セントになるとのこと。つまり、収入のほとんどが利益です。Googleはこの高い利益率でもって、自動運転技術等次なる研究開発に邁進できます。


Googleの主任経済学者バリアンによると、Googleの利用者は検索によって1日当たり3.75分得しているとのこと。ざっくりと1ドル(時給16ドル)と換算すると、年額350ドルの利益を得ていることになります。もし、Googleが有料化したとしても、年間利用料350ドルまでであれば、お得ということになります(実際、350ドルの利用料を人々が払うようになるかどうかは別問題ですが)。


質問のコストと答えのコストの逆転


Googleが登場する前、インターネットは宝の山のようにも見えましたが、ゴミの山のようにも見えました。質の高い情報になかなかリーチできなかったからです。しかしGoogleにより、必要な情報にリーチするコストは劇的に下がりました。別の言い方をすれば、それは回答を得るコストです。


今やインターネット上には、ありとあらゆる情報があります。Googleが回答を出すコストよりも、質問を考えるコストのほうが高くなってきているとも言えます。人間の性でしょうか。人は知れば知るほど、知らないことも増えていきます。好奇心の旺盛な人はみなこのパラドックスに遭遇するはずです。


信頼できる回答がすぐに返ってくることが、われわれを満足させてくれることにはならない。回答が潤沢にあれば、ひたすら新たな質問が増えるだけなのだ!私の経験では、質問するのが簡単であればあるほど、答えはより有用で、より多くの質問が生まれてくる。回答マシンは無限に答えを増やしていく一方で、われわれが質問するための時間はとても限られている。良い質問を生み出すことと、答えを理解することの労力の間には非対称性がある。いまや答えが安くなり、質問はもっと価値を持つという逆転現象が起きているのだ。 (P380)


問うこと


Googleが、インターネットが、人工知能が答えられないような質問は何でしょうか?その問いは、禅問答に近づいていくと感じるのは気のせいでしょうか?スティーブ・ジョブズは敬虔な禅仏教信者で、よく坐禅をしていました。


質問を生み出すものは、われわれ人類が絶え間なく探検する新しい領域、新しい産業、新しいブランドや新しい可能性、新しい大陸を生み出す原動力なのだときちんと理解されるようになるだろう。質問していくことは単純に言って、答えることよりも力強いのだ。 (P382)


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質問のコストと答えのコスト



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