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手塚治虫氏が成人向けの耽美(官能)マンガを書いていたと知って、これは読まねばならないと思い、読んでみました。初出は1973年から1974年に『ビッグコミック』。女性の裸体や絡みシーンも出てきます。


あらすじ

主人公は耽美派作家であり異常性欲の持ち主の美倉洋介、ヒロインは「都会が何千万という人間をのみ込んで消化したれ流した排泄物のような女」のバルボラ。それでいて、文学作品の有名なフレーズを諳んじている。バルボラが美倉洋介のところに居候してから、美倉に奇天烈な事件が起きつつも、バルボラをモデルにした小説『狼は鎖もて繋げ』がベストセラーになり、バルボラにより運が向上する。ボーイッシュなバルボラが色気のある女に変身し、バルボラの魅力に気づかされた美倉はバルボラとの結婚に臨むが、バルボラは黒魔術の世界の人間で、黒ミサの結婚式に警察に踏み込まれ、結婚は失敗、バルボラも消える。


数年後、美倉はやむなく政治家の娘・里見志賀子と結婚したものの、バルボラと離れたことで運にも突き放される。バルボラを探し求め、見つけ、追われながらも逃げるが、逃げた先の阿蘇山の山小屋で未完の小説『ばるぼら』を書き上げ、放火に遭い美倉は行方知れずになるが、原稿は山小屋を放火した学生たちが持ち去り、世に出されてベストセラーになる。



『ばるぼら』
薄汚かったバルボラが美しく変身し、誘惑されてしまう美倉


考察

バルボラをギリシャ神話で芸術を司るミューズと位置付けています。芸術とは、本来の価値にかかわらず、発表の在り方、アピールの在り方によって、脚光を浴びる芸術作品にも朽ち果てていく骨とう品にもなりうるとしており、それが手塚治虫氏の芸術観でもあり、また世間の芸術に対する態度に対する厳しい批評にもなっています。


時に、作者は主人公に自分自身を投影します。耽美派の代表作家であり女性崇拝者の谷崎潤一郎は『痴人の愛』に自分自身を投影し、『細雪』は当時の妻の姉妹をモデルとして描きました。異常性欲の持ち主の美倉陽介もまた、手塚治虫氏の自分自身の投影なのかもしれません。



<目次>

  • 第1章 デパートの女
  • 第2章 女と犬
  • 第3章 黒い広場
  • 第4章 秘密
  • 第5章 砂丘の悪魔
  • 第6章 黒い破壊者
  • 第7章 狼は鎖もて繋げ
  • 第8章 複製
  • 第9章 狂気の世界
  • 第10章 ブードゥー
  • 第11章 黒ミサ
  • 第12章 回帰
  • 第13章 宣告
  • 第14章 霧の中のパトス
  • 第15章 大団円


映画化

読了後に、今年映画化されるのに気づきました。作家・美倉陽介役に稲垣吾郎、バルボラ役に二階堂ふみ。配役として申し分ないでしょう。そして監督は手塚治虫氏の長男、手塚眞氏です。




アル中の乞食女バルボラは、都会の片隅に座っていた。



フーテン女から妖艶な女に変身した実写のバルボラを見てみたい。。



書評読み比べ



追記

2019年1月14日

稲垣吾郎ファンの方々によって拡散されたので少し稲垣吾郎氏について言及しておくと、変態的ナルシストな美倉陽介は彼のはまり役になるような予感がします。キムタクや陽気な草彅君・香取君、二枚目を演じれない中井君では無理です。嵐やV6にもできそうな人はいません。稲垣吾郎が二階堂ふみに翻弄される姿を、とくとご覧ください。


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二階堂ふみさん


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