年末に書きました【書評】『世界悪女物語』につづく、悪女ものです。正確には、悪女のみならず。「美女」と「悲劇のヒロイン」も扱います。


<目次>

  • 第一章 美女の世界史
  • 第二章 悪女の世界史
  • 第三章 悲劇のヒロインの世界史


取り上げられている女性は45名、また創作上の女性も3名取り上げています。名前をざっと列挙します。


  • 美女:
    クレオパトラ、楊貴妃、エロイーズ、アリエノール・ダキテーヌ・アニュス・ソレル、シモネッタ・ヴェスプッチ、マリー・ド・ブルゴーニュ、イザベラ・デステ、ディアーヌ・ド・ポワティエ、エリザベス一世、マリア・テレジア、ポンパドゥール公爵夫人、アンヌ・ドードリッシュ、クリスティナ、レカミエ夫人、ウジェニー・ド・モンティジョ

  • 悪女:
    サッフォー、クサンティッペ、アグリッピナ、ゼノビア、即天武后、イサベル一世、ヒュッレム・スルタン、メアリ一世、カトリーヌ・ド・メディシス、メアリ・スチュアート、王妃マルゴ、ソフィア・アレクセーエヴナ、エカチェリーナ二世、コンスタンツェ・モーツァルト

  • 悲劇のヒロイン:
    アンケセナーメン、ブーディカ、ジャンヌ・ダルク、カテリーナ・コルナーロ、ファナ、ルクレツィア・ボルジア、アン・ブーリン、ジェーン・グレイ、マリー・ド・メディシス、ポカホンタス、モンテスパン公爵夫人、デュ・バリー夫人、マリ・アントワネット、ジョゼフィーヌ、エリザベート

  • 伝説の美女:
    ヘレネ、サロメ、オフィーリア


美女:レカミエ夫人とウジェニー皇后


本書では、絵画が基調になっています。【書評】『世界悪女物語』でも述べましたが、私の中では、「男を誘惑・虜にし、国をも滅ぼしかねない女」を悪女と定義しました。しかし、本書の「悪女・美女」の境は、歴史的評価もさることながら、絵画に描かれた美醜も一つの判断材料になっているようです(歴史的に悪名高い女性は醜く描かれている傾向もあります)。


まず、絵画を見て美しいと思った美女を二人ほど挙げると、レカミエ夫人(1777年~1849年)とウジェニー・ド・モンティジョ(1826年~1920年、フランス皇帝ナポレオン3世の皇后)になるでしょうか?


レカミエ夫人(Juliette Récamier) by François Gérard

Juliette_Récamier

image from:Wikipedia lic:P.D.


レカミエ夫人の評判を、Wikipediaから引用します。

ジュリエット・レカミエは、19世紀フランスの文学・政治サロンの花形となった女性。 世界の歴史の中でも、最も美しい女性と云われている。

ほかの肖像画を見ても、レカミエ夫人は美人だと分かります。


『ウジェニー皇后と女官たち』

"The Empress Eugenie Surrounded by Her Ladies in Waiting"

by Franz WinterhalterThe Empress Eugenie Surrounded by Her Ladies

image from:Wikipedia lic:P.D.


悪女:サッフォー、王妃マルゴ、アン・ブーリン


一方、悪女となると、見た目が決してよろしくない方もいます。そんな肖像画を残すのか?といった鬼の形相も少なくありません。


醜い形相の悪女の例:


ここでは目を汚したくありませんので、サッフォー(紀元前7世紀末 – 紀元前6世紀初)を紹介します。サッフォーは詩人だったのですが、同性愛者だったということもあり、本書では悪女と位置づけられています。彼女の出身地レスボス島の人たちを意味する「レズビアン」が、のちに女性同性愛者という意味で使われるようになったとのことです。


"Sappho and Erinna in a Garden at Mytilene" by Simeon Solomon

Sappho_and_Erinna_in_a_Garden_at_Mytilene

image from: Wikipedia lic:P.D.


王妃マルゴとアン・ブーリン

私的解釈に近い「悪女」は、王妃マルゴことマルグリット・ド・ヴァロワ(1553年~1615年 ヴァロア朝アンリ2世の娘)とアン・ブーリン(1507年~1536年、エリザベス一世の母、本書では悲劇のヒロイン)でしょうか。結果的に、マルグリット・ド・ヴァロワはヴァロワ朝を終わらせ、アン・ブーリンは、イギリス王朝のカトリックからイギリス国教会への転換期の犠牲者になりました。



なお、『ブーリン家の姉妹』は、昨年DVDを鑑賞しまして、考察して書き下ろしています。できれば文章を見直しした上で、公開したいと思います。


王妃マルゴ [DVD]
イザベル・アジャーニ, ジャン=ユーグ・アングラード,
ヴァンサン・ペレーズ, ヴィルナ・リージ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン ( 2012-07-13 )

ブーリン家の姉妹 コレクターズ・エディション [DVD]
ナタリー・ポートマン, スカーレット・ヨハンソン, エリック・バナ,
ジム・スタージェス, マーク・ライアンス
ポニーキャニオン ( 2011-10-21 )


悲劇のヒロイン:デュ・バリュー夫人


悲劇のヒロインに列せられたマジョリティは、ジャンヌ・ダルクやアン・ブーリン、ジェーン・グレイなどの処刑された女性たち。処刑された女性の中で、デュ・バリュー夫人(1743~1793年)が私的解釈の悪女に近いかもしれません。娼婦上がりの女性ですが、その美貌によりフランス国王ルイ15世の公妾になった女性です。身分が低いため、一旦、爵位のある者に嫁いでから、国王の愛人になるんですね。ルイ15世がなくなった後、ルイ16世の嫁のマリー・アントワネットと対立したとのことで、漫画『ベルサイユのバラ』でもそう描かれていたようです。フランス革命により、処刑されました。


Madame_du_barry

image from: Wikipedia lic:P.D.



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