<目次>
  • はじめに
  • 第一章 真心のこもったあいさつ
  • 第二章 優美な雰囲気を醸し出す
  • 第三章 切なる気持ちを伝える
  • 第四章 四季折々の言葉の彩り
  • 第五章 日本文化に息づく想い
  • 第六章 語源から食を味わう
  • 索引


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何気なく使っている大和言葉。使ってはいるけれども、語源や本来の意味を知らずに使っていることがあります。本書では166の日本語が紹介されていますが、その中から、その語源や本来の意味を知らなかったり、驚きの種だったりしたものをピックアップしてみます。


ようこそ

「こそ」は強調の意味ですが、「よう」は何でしょうか?実は「よく」から変化したもので、漢字をあてると「良く」とのこと。強調には「ぞ」もありますので、「ようこそ」は「よくぞ」と同じ意味だった、ということになります。たしかに「ようこそ」と言うべきところを「よくぞ」に置き換えても、違和感がないように感じます。


はなむけ

「はな」を「花」だと思っていたのですが、「鼻」でした。何の鼻かと言うと「馬」の鼻。「はなむけ」とは、馬の鼻が向いた方向という意味で、馬で目的に向かおうとしている人へ贈るのが「はなむけ」とのことです。先日の読書会で、誰も知りませんでした。へえ!


もてなす

「なす」は「為す」です。では「もて」は?「こそ」や「ぞ」が強調の接尾語に対し、「もて」は強調の接頭語。つまり「なす」を強調しているに過ぎませんが、人のために「なす」ことを控えめながら協調したニュアンス、という感じでしょうか。


さぞ

「ぞ」は強調の接尾語ですが、「さ」は?現在の「それ」の古語表現であり、指示代名詞です。「さぞ」を現代語風に言えば、「それほどにも」ということになります。


あでやか

「艶やか」と書き、「色」が「豊か」なのですから、派手な感じがします。実際、私が好きな悪女というのは「妖艶」という言葉が似合います。ところが、元々の漢字は「貴やか」とのことで、高貴なという意味があります。つまり、「艶やか」というのは、ケバケバとした鮮やかさを言っているのではなく、気品のある色の豊かさを表現しています。


欧米人と比べて日本人の男性は女性が口説くのが苦手な傾向にありますが、それは日本語の中にも刷り込まれていたようです。本書から引用します。

日本語の語彙をみていると、主体的・意識的に愛するという方向性の言葉は、どうも近代より前には無いようです。(P.70)

日本語の伝統的語彙には「好きだ!」と積極的に愛情を表現する語彙がほとんどないという特徴があります。(P.79)

では、日本語らしい表現はどうなるかというと、「袖を涙で濡らす」とか「逢う」「逢えない」とか「ものをこそ思う」とか。「恋」は、万葉仮名では「古非」や「古比」とも書くのですが「孤悲」とも書きます。「孤独で悲しい」気持ちを歌って相手を惹き付けるのが日本語らしい口説き方なのかもしれません。


懐かしい

「なつ」は語源としては「なつく」と同じとのこと。かな漢字変換すると、確かに「懐く」と出てきます。つまり、「懐かしい」とは、なついていたさまを思い出すことに他なりません。


さりげない

さきほどの「さぞ」と同じく「さ」は指示代名詞です。その後ろの「りげない」では意味が通じませんので、そこに隠されているのは「ありげない」つまり「あり気無い」です。現代語風になおすと、「そのようなことはありそうにない」ということになります。


ほだされる

漢字で書くと「絆される」。つまり「きずな」のことです。現代では「きずな」は肯定的な意味ですが、元々は否定的な意味だったとのこと。家族や俗世と決別して出家したいのに、家族にほだされて出家をためらう、というような使い方だったらしいです。現代では同様の否定語は「しがらみ」でしょうか。


まだまだ書きたりませんので、後半につづきます。


【書評】『 英語にできない日本の美しい言葉』その2 : なおきのブログ


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百人一首:小野小町
小野小町は「花の色」に恋をたとえた。
image via 小倉百人一首 - Wikisource (license : CC0)


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