本記事は書評サイト・シミルボンからの転載です。

彼女がその名を知らない鳥たち | レビュー | 二重に騙された | シミルボン
(2016年12月25日)




八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。(「BOOK」データベースより)


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「イヤミス」

イヤな気分にさせられるミステリー小説とのこと。その代表作家と思しき沼田まほかるさん。11月24日の朝活読書サロンで紹介を受け、興味を引きました。その時のコメントが以下のとおり。


彼女がその名を知らない鳥たち』は、恋人同士なのに、女が男を冷たくあしらう、しかし男は女を愛し続けるというお話。ひょっとして、「悪女もの」?興味がそそられます。


解説を除くと5ページから383ページまで、合計379ページ。中ぐらいの長さの長編小説です。


登場人物

ミステリー小説は、下手にあらすじに触れてしまうとネタばれになってしまうため、おいそれと書評が書けません。ネタばれしないように登場人物だけ、紹介します。


  • 北原十和子:主人公。33歳。8年前、黒崎と付き合っていた。6年前より陣治と同棲中(居候)。無職。いわゆる腐女子。
  • 佐野陣治:48歳。十和子は陣治を下品で粗野だと罵る。なぜかそれでも陣治は十和子を受け入れる。
  • 水島真:デパートの中丸屋時計売場のチーフ。妻子あり。十和子が中丸屋で買った時計が壊れたとクレームを入れたことにより接点を得る。弁済に十和子宅(陣治宅)を訪れ、やがて肉体関係に陥る。そして、水島のところに嫌がらせが。誰の仕業なのか?
  • 野々山美鈴:十和子の姉。二人の子持ち。何かと十和子を気にかけ、陣治とうまくやるよう諭す。
  • 国枝:とある企業の取締役。助平オヤジ。
  • 黒崎俊一:8年前に十和子と別れ、国枝に取り入るため、カヨの婿養子となる。5年前失踪。
  • 国枝カヨ:8年前、黒崎俊一と結婚。一児の母。俊一の携帯電話を解約せずに持ち続ける。何か手がかりが得られればと思い。。。


騙された

「BOOK」データベースにある通り、十和子は陣治が黒崎を殺したのではないかと疑う。しかし、この点を十和子の妄想ではないかと、私は疑ってみた。そして、その予想は見事に裏切られた。それが一つ目の騙し。


普通ならここで終わるのだけど、ここで終わらないところがこのイヤミス小説を5点評価した理由でもあります。更なる騙しが待ち受けていました。「予想は裏切られた」と思ったこともまた、裏切られました。


二重に騙されたら、行って帰って同じところに戻るかというと、そうは問屋が卸しません。意外な結末にびっくり仰天です。ただいま映画公開中の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が、意外の結末を迎える純愛小説なら、『彼女がその名を知らない鳥たち』もまた、意外の結末を迎える純愛小説、と私は思いました。


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