先月の読了リストです。12月は師走の名のとおり、あっという間に時間が過ぎてしまいました。特に月の前半、『鉄道と戦争の世界史』に思いのほか時間を取られてしまいました。この手の本格的ハードカバーを読みこなすには、速読を身につけたいところです。
20世紀前半の戦争は、数十万、数百万、数千万単位で人が殺される戦争でした。大量殺戮を可能とした最大の技術はなんでしょうか?飛行機?原子力爆弾?
いえ、違います。
鉄道です。
【書評】『鉄道と戦争の世界史』~戦争とは兵站
7人の特別講義プロジェクト, 金田一 秀穂, 鍵本 聡, 高濱 正伸,
大西 泰斗, 竹内 薫, 藤原 和博, 石井 裕之
講談社 ( 2007-06-21 )
ISBN: 9784062140959
やんちゃな高校生を東大に入れようという阿部寛主演のテレビドラマ『ドラゴン桜』の副読本です。結局、「何のために勉強するのか?」ということが大切です。受験ではありません。
「なぜもっと早く読まなかったのだろうか?」と2013年に後悔した本ナンバーワンです。2013年読了ベスト10にも入れました。複数のテーマが書かれています。
まず、経済指標は、相対評価(前年比伸び率)ではなく、絶対評価をしないと、見誤るということです。日本の消費経済のピークは、生産人口がピークに達した1996年でした。「デフレの正体」は、物価が下落したとか、若者がものを買わなくなったといった問題ではなく、まず、消費者人口が減ったことに着目すべきです。この呪縛から逃れることはできません。
消費者人口が減少していく社会で、軽工業製品の高級ブランド化へシフトするべきだ、という著者の主張は非常に納得できるものでした。
【書評】『デフレの正体』~ハイテク製品よりも軽工業製品
【読書】2013年読了ベスト10
『八重の桜』のノベライズ版です。四巻で完結しました。台詞を再度理解するのにちょうどよいです。
世界の中で日本ほど自然の美しい国はないのかもしれません。自然を守ることが日本人の使命です。しかし、農業遺産というのは、あるがままの自然ではなく、人間の手入れが行き届いた自然です。21世紀の日本は、エネルギー問題、食糧自給問題という二つの観点で、この自然を活かすことが最重要課題です。
【書評】『 世界農業遺産──注目される日本の里地里山』
ナヴィ・ラジュ, ジャイディープ・プラブ, シモーヌ・アフージャ
日本経済新聞出版社 ( 2013-08-23 )
ISBN: 9784532318963
いわゆる「イノベーションのジレンマ」の解の一種だと思います。6つの原則を提唱しいています。
- 原則①逆境を利用する
- 原則②少ないものでより多くを実現する
- 原則③柔軟に考え、迅速に行動する
- 原則④シンプルにする
- 原則⑤末端層を取り込む
- 原則⑥自分の直観に従う
歴史とは、「男の歴史」です。歴史において、女性は添え物のような存在です。本書で取り上げられている女性が美女であったかどうかは定かではありませんが、本書は女性に着目した歴史啓発書です。
あらためて大和時代から現代を俯瞰すると、最も男尊女卑が激しかった時代は明治時代、その次に江戸時代でした。平安時代以前は、もっと女性の地位が高かったようです。特に女帝、天皇の母の権力は絶大です。
どうも、生理的にニーチェの哲学は苦手です。ニーチェそのものを読むよりも、現代の日本人が書いたもののほうが読みやすいかもしれません。ニーチェを理解するのには役立ちました。
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