本書の証言をそのまま鵜呑みにするのではなく、本書以外にも一般的に知られている事実、参照すべき情報がある場合を客観的事実とし、参照すべき情報が未確認の場合はフィッシュの回顧・主張として切り分けました。 ...
カテゴリ:書評:歴史
【書評】『ルーズベルトの開戦責任』~The other side of the coin~
本書は、太平洋戦争をしかけた張本人はフランクリン・ルーズベルト(FDR)だとし、徹底的に糾弾しています。アメリカ人側の証言を得たり!ということで本書読書の目標は一応の達成をみるものの、本書を手離しでは評価できません。 ...
【書評】『戦争は女の顔をしていない』
2015年のノーベル賞文学賞のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチさんの代表作品です。第二次世界大戦の東部戦線(独ソ戦)でのソ連側の女性兵士たち500人へのインタビューで構成されています。第二次世界大戦は日本も当事者でした。しかしこの本には日本人に知られざる二つの戦争の側面を炙り出します。一つは、東部戦線(独ソ戦)が史上最大の白兵戦であったこと。もう一つは、その白兵戦に女性が参加していたということです。本書は日本人の戦争観を覆しました。 ...
【書評】『太平洋戦争の新常識』~自虐史観にも皇国史観にも囚われない日本の近現代史観の再構築に向けて~
「あの戦争はいったい何だったのか?」(本書内容紹介より)
8月は戦争の季節です。8月になると毎年欠かさず太平洋戦争ものを読むことにしています。 ...
【書評】『明治維新とは何だったのか 世界史から考える』
明治維新150年を迎えた昨年に出版された日本近現代史の大家・半藤一利氏と、ライフネット生命創業者で現在立命館アジア太平洋大学の学長でありなが『「全世界史」講義』の著者でもある出口治明氏との対談本です。 ...
【書評】『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』
歴史を学ぶ時、我々はその結末を知っています。しかし、歴史上のその時々の人々は、結末が分かった上で決定し行動をしていたわけではありません。 ...
【書評】『今こそ、韓国に謝ろう』~史実だが歴史書ではない~
先々週から先週にかけて、本書を読むことになった2つの事件がありました。一つは日韓基本条約を根底から覆す徴用工判決、もう一つ百田尚樹氏の『日本国紀』発売です。 ...
【書評】『漂流記の魅力』
思わず図書館で目が遭ってしまい、借りました。それほど物語の読書が好きでなかった子どもの頃、好きだったのが伝記物と探検もの、漂流ものでした。 ...
【書評】『美少女美術史: 人々を惑わせる究極の美』その1~美少女の基準~
美術史でありながら、その背景にある大局的な歴史の流れに沿った説明がなされており、歴史の変遷を美術の観点から見直すことができそうです。具体的に言えば、多神教時代のギリシャ・ローマ時代からキリスト教への転換、キリスト教下のルネサンスの到来が意味するところ(多神教の受入れ)、宗教改革の影響など、計らずも新しい視点を得ることができました。
...
【書評】『〈女帝〉の日本史』(2)女性が権力を持つとろくなことがない
『女系図でみる驚きの日本史』の書評で、徳川家康は豊臣家内部崩壊の原因を淀殿と見ていたのではないか?と推論しましたが、図らずも本書でそのことが書かれていました。 ...
【書評】『〈女帝〉の日本史』(1)女帝の時代と摂関政治
とかく男性中心に語られる日本史。昨年、『女系図でみる驚きの日本史』と本書と、相次いで女性の歴史がハイライトされました。男女平等の社会をつくっていくには、どのように男性中心の社会が出来上がったのか、紐解くことが必要なのでしょう。 ...
【書評】『歴史は実験できるのか』ポリネシアとアメリカ西部開拓
アメリカの西部に限らず、カナダ、オーストラリア、ロシアなどのフロンティア開拓は、ほぼ確実にブーム→バスト(崩壊)→再生という軌跡をたどったようです。 ...
ジャレド・ダイアモンド編集『歴史は実験できるのか』(読まない書評)
『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンドの新刊が出ました。彼の著書とあっては読まずにはいられません。と思ったら、彼の編集であり、著作ではありませんでした。まぁそれはよしとして、お題に興味があります。現在、プロローグを読み終わったところです。 ...
【書評】『女系図でみる驚きの日本史』(3)大奥の秘密と現代への影響
結果的に、江戸時代に武家を中心に男系・男子相続の確立していきます。そして、明治維新後も紆余曲折を経て、江戸時代の男系確立が現在も男女格差に影を落としている、と言うのは言い過ぎでしょうか? ...
【書評】『女系図でみる驚きの日本史』(1)オンナにより出世が決まった。
本書のタイトルになっている女系図。祖父・父・息子と連なる一般的な家系図を男系図と呼ぶのなら、祖母・母・娘と連なる家系図を女系図と呼ぶことにします。しかし、日本史において女系図というものは存在せず、本書の著者・大塚ひかりさんが古典を丹念に読み解き、系図を作ったとのこと。なんとマニアックなことでしょうか。 ...
【書評】『図説 一度は訪ねておきたい!日本の七宗と総本山・大本山』
日本の仏教の宗派は主なもので13宗あり、本書ではそのうちの7宗の総本山・大本山を紹介しています。13宗派について、宗派・本尊・根本経典のまとめた表がありましたので、引用します。また、総本山・大本山についても、本書とWikipediaを手掛かりに追記しました。
...
【書評】『日本の鉄道は世界で戦えるか』(2)~鉄道大国の道と衰退の足音
世界に占める鉄道利用者数の数が異常に突出している日本。どのように日本は鉄道大国になったのか、本書では地理的要因と歴史的要因の2つの切り口で分析しています。 ...
【書評】『吉原はスゴイ 江戸文化を育んだ魅惑の遊郭』
表の歴史は男たちの権力闘争の歴史なれど、その裏には女の歴史、女が主導する夜の歴史があります。江戸時代では、大奥と吉原が女の歴史の二大舞台と言ってよいでしょう。そしてなんといっても女の歴史が面白い! ...
【書評】『とはずがたり』~我が名は女
『京都ぎらい 官能篇』で知った鎌倉時代の後深草上皇の女御・二条。彼女の日記が『とはずがたり』です。1940年になるまでその存在が知られず、宮内庁に写本が眠っていたとのこと。
恋多き、というよりも、性に奔放、というか、言い寄られた男達にことごとく体を許してしまいます。 ...