政治・政治家を批判するなら、その政治家の著書を読め、というのが私の信条です。時の総理大臣菅義偉氏の本も読まざるを得ません。 ...
カテゴリ:書評:社会・政治経済
【書評】『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症 (光文社新書)』
副題に「国防としての感染症」とあるとおり、感染メカニズム・症状・致死・治療・回復などを扱ったものではなく、安全保障、バイオセキュリティを扱ったものになります。情報システムの世界ではウイルス侵入防御の仕組みを「セキュリティ」と呼びますが、病原体のウイルス侵入防御も「セキュリティ」です。 ...
【書評】『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』ケント・ギルバート(著)
読了して、WGIPについてはそれほど検証的な記述があるわけではない点は物足りなく感じましたが、一方で、新しい視座を得ることができました。ありがとうございます。また、なぜケント氏が日本の自虐史観やWGIPにことさら反発し、右寄りの発言を繰り返すのか、図らずもその理由が見えてきました。 ...
【書評】『自民党 価値とリスクのマトリクス』~菅義偉はいかなる人物か?~
菅義偉首相の唯一の著書『官僚を動かせ 政治家の覚悟』は、残念ながら売切れで入手不可能になりましたが、本書『自民党 価値とリスクのマトリクス』の著者中島岳志氏は、目次に掲げている自民党政治家たちの著書を全て読んだ上で、重要箇所を引用しながら解説してくれ、そのうちの一人が菅義偉首相で、『官僚を動かせ 政治家の覚悟』の記載事項も垣間見ることができます。 ...
【書評】『自民党 価値とリスクのマトリクス』~政治家について語るなら政治家の本を読め!~
私がお薦めしたい本のジャンルの一つが政治家の書いた本です。政治家の本には、当人の生い立ち・政治家を志した理由・政治信条が書かれているからです。 ...
『立憲的改憲』~山尾志桜里氏の造反とコロナ特措法を考える~
衆議院議員の山尾志桜里氏。3月12日、コロナ特措法の採決に造反し反対票を投じ、3月18日、離党を表明、しかも立憲民主党にダメ出しをするという、俄かに時の人になりました。 ...
【書評】『未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること』
『未来の年表』の続編です。『未来の年表』では、日本の社会全体で起きることが表されていましたが、本書では副題にあるとおり、個々人に起きることが表されています。前著が出版された後に寄せられた声で大きかったのが、「私の生活はどのように変わるのか?」というもの。なので、本書では個々人に起きることにフォーカスをしています。 ...
【書評】『教養としてのテクノロジー』
人工知能、仮想通貨、ブロックチェーンなどのテクノロジーが、人間、社会、国家にどのような影響を及ぼすか、黎明期から日本のインターネットを支えてきたMITメディアラボ所長の伊藤穣一氏が、分かり易く解説します。本書タイトルのとおり、今やこれらのテクノロジーは、「私は文系だから」と避けて通ることはできません。今や一般教養です。 ...
【書評】『止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記』
本書は麻原彰晃の三女、松本麗華さんの半生を綴った手記です。ご自身の半生を振り返り、バッシングを受ける可能性が高いのにもかかわらず、さらけ出した覚悟と勇気を私は称えたいと思います。 ...
【書評】『同性婚のリアル』家族のあり方を考える
この本を手にとったのは、とりもなおさず勝間和代さんが同性愛をカミングアウトしたことがきっかけです。本書を読んで、「同性愛」や「同性婚」という範疇を超えて、法的に認められる「家族」とは何か?を現代社会は問われているのだということに気づきました。 ...
【書評】『日本の鉄道は世界で戦えるか』(3)~これからの日本の鉄道
さて、タイトルにある「世界で戦えるか」。海外展開が可能かと問うてるわけですが、本書はネガポジ両面提示しています。 ...
【書評】『日本の鉄道は世界で戦えるか』(1)~鉄道のファクト
本書は、一般的に日本人が信じている二つの命題について、ファクトベースで厳しい現実をつきつけます。なんとなく分かっていたのですけど、携帯電話端末と同じく、日本という特殊な環境に過度に適用するように進化してしまったため、なかなかそのままでは海外で通用しなさそうです。そして、国鉄民営化以降も、多くの路線で乗車人員数が減り続けており、海外展開どころか、足下を見れば危機的な状況にあります。 ...
【書評】『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』
昨年来、本書がベストセラーになりました。私もようやく読了しました。すでに類似書を読んでいますので、あまり驚きはありません。多くの人に読まれたことで、超高齢化社会、人口減少社会が何をもたらすかという共通課題認識が生まれることを期待します。 ...
【書評】『京都ぎらい 官能篇 (朝日新書)』(1)京都はエロいのか?
世の中「官能」論全般に言えることですが、男性が語っているため、「官能」と言いつつも男から見た「女性」論です。誤解を恐れずに言えば、「女の存在自体がエロい」と言ってもいいかもしれません。これはもう男の妄想です。 ...
【書評】『「赤ちゃん縁組」で虐待死をなくす』あなたに会えてよかった。
「特別養子縁組」というのをご存知ですか?名称は知っていましたが、実際のところは知りませんでした。本書を読み終え、「特別養子縁組」という制度を世の中にもっと知って欲しいと願います。 ...
【書評】『現役官僚の滞英日記』その3:カネ・コネ・チエ
本書で知り得たことの2つ目は、イギリスのエリートには、カネ・コネ・チエのバランスに優れた人が多いという点です。裏を返すと、日本は、カネ・コネ・チエのバランスに優れた人が稀有で、どれか一つしか持っていないアンバランスな人が多い。これは率直にそうだなぁと思います。 ...
【書評】『現役官僚の滞英日記』その2:コモン・ウェルスから学ぶ
本書を読んで知り得たことの一つ目は、コモン・ウェルスの影響力の大きさです。24億人・52加盟国(イギリスを含めると53ヶ国)から成ります。私はかつて、1998年から2000年まで、英連邦の一員であるシンガポールに駐在していました。当時、コモン・ウェルスの中にいたはずなのに、その影響力の大きさを甘く見ていました。 ...
【書評】『現役官僚の滞英日記』その1:イギリスから学ぶ
先月読み終えていたのですが、遅ればせながら書評を書きます。イギリスに留学していた友人の橘宏樹さんが留学中に書き溜めた日記を基に、本書を上梓されました。本書の主題を一言で申せば、イギリスからの学びです。 ...
【書評】『Black Box』~中村格氏は逮捕中止の説明責任を
逮捕中止を指示した中村格さん(当時刑事部長)。説明責任が大ありです。 精神的に大変な境遇にある被害者を、安心して受け入れられる体制が、病院や警察に必要です。 ...