クラスタ理論:人間関係の基本は三角形



コミュニティマネージャー・ミートアップ(7月28日)参加報告の記事で、書き足りないこととして、「クラスタ理論」というものを紹介しました。社会学における「クラスタ理論」というのは、「人間関係の基本は一対一ではなく三角形だよ」というお話です。


よく、人間関係を表すのに、人間をノード、関係をリンクとして表されることが多いかと思います。


  • 一対一の人間関係の構成要素:2つのノードと1つのリンク
  • 三角形の人間関係の構成要素:3つのノードと3つのリンク


ここでは、三角形の人間関係がなぜ大切なのか?ということを理論的に説明しようと思います。経験的にもほぼ間違いありません。


3人の人間関係


3人の人間関係は、大きくわけて2つあります。


  • 2組の一対一の人間関係
  • 三角形の人間関係


2組の一体一の人間関係クラスタ理論:一対一の人間関係


上図の左の絵では、AさんとCさんはBさんという共通の友人を介して繋がっています。AさんとCさんは「二次の隔たり」にある状態です。AさんとCさんは、面識はあるものの連絡先を知りません。しかし、Bさんを介して連絡することは可能でした。


何かが原因でBさんとCさんが疎遠になったとします。たとえば、Facebookで、Bさんの友達を見るとCさんがいたのに、Cさんがいなくなってしまいました。Cさんに連絡を取ろうにも、もはや連絡する手段さえ途絶えてしまいます。2組の一対一の人間関係は、壊れやすいです。


三角形の人間関係クラスタ理論:三角形の人間関係


もし仮に、AさんとCさんも直接の知り合いである(連絡先を知っている)間柄だったらどうでしょうか?BさんとCさんの間が疎遠になってしまっても、AさんはCさんと直接連絡することができますし、またBさんがCさんと連絡を取りたいと思った時も、Aさんを介して連絡することが可能です。


4人の人間関係


さらに発展させ、4人の場合を想定します。


一対一の人間関係クラスタ理論:4人の一対一の人間関係


4人が直線的に一対一の人間関係しか形成されていないと、一箇所切れただけで、多くの人間関係が失われてしまいます。上図の右の絵では、BさんとCさんの縁が切れることにより、BさんとDさんも、AさんとCさんも縁が切れてしまいます。


付き合っていた彼女と別れた場合、彼女の女友達とも縁が切れる、そんな苦い記憶(?)を思い出してしまいました。


三角形の人間関係クラスタ理論:4人の三角形の人間関係


それが、三角形の人間関係だったらどうでしょうか?4人の人間関係が2組の三角形の人間関係で構成されていた場合、一箇所が切れても、必ず二次の隔たりで全員と繋がっています。


さらに強固な三角形の人間関係クラスタ理論:4人の強固な人間関係


また、全員が最初から直接繋がっていた場合は、二箇所切れても、二次の隔たりで繋がっています。


このように、人数が増えていった場合にでも、三角形で人間関係を築いていくことにより、どんどん強固な人間関係が形成されていきます。


コミュニティを強固にするために



先日のコミュニティマネージャー・ミートアップで実践したことの一つが、この三角形の実践です。


このイベントでは、知り合おうと思っていた意中の人が何人かいました。仮にAさんとしましょう。Aさんとは共通の友人、Bさんがいます。


物怖じしなければAさんに直接自己紹介することが可能です。しかし、そうしませんでした。一手間かかりますが、BさんにAさんを紹介してもらうようにお願いしたのです。Bさんは、Bさんと私がどういう繋がりかも含めて、Aさんに紹介してくれます。三角形の人間関係が成り立ちます。


もし仮に、私がAさんに直接自己紹介した場合、一対一の人間関係で終わってしまいます。もちろん、Aさんとの会話の中でBさんの話を持ち出すことも可能でしょう。しかし、敢えてBさんにお願いするという一手間かけることにより、より早く三角形の人間関係が築けるのではありませんか?


コミュニティマネージャーと呼ばれる方に実践してほしいことは、この「紹介する」ということなのです。


コミュニティマネージャーの役割


クラスタ理論:コミュニティマネージャーの役割


コミュニティマネージャーの役割は、自らが中心になってコミュニティを形成することではありません。上図の左の絵のように、自分を中心にしか人間関係が形成されていない場合、コミュニティは簡単に崩壊してしまいます(そもそもコミュニティと呼ぶべきでない)。


一方、右の絵のように、必ずしも自分が全員とつながらなくても、どこかで三角形が築けている場合もあります。Bさん、Dさん、Fさんは三角形を作っています。自分以外の三角形をより多く作ることにより、コミュニティは強固になります。


以前開催したコミュニティ運営勉強会では、リーダーの交代によりコミュニティは崩壊するということが話題になりました。



先週のミートアップでは、HTML5の勉強会は、リーダー交代によっても崩壊しなかった例として紹介されました。リーダーが交代してもコミュニティが継続できるか否かのターニングポイントは、自分以外の三角形の人間関係がどれだけ多くできていたかだけでなく、その中に主体的に動ける三角形の人間関係を育んでいたかどうかではないかと思います。




関連書籍


このブログ記事の「クラスタ理論」は、本書を参考にしました。「クラスタ」とは、そもそもブドウの房を意味します。ブドウの実のようにいくつも連なった人間関係、と考えていただけるとよいかと思います。著者の増田直記氏は31歳の時に本書を執筆した若い社会学者です。体系的かつ平易な文章で非常に読みやすいので、お薦めです。




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