(本ブログ記事は、MediaMarkerで書いたメモを元に、加筆&修正したものです。)


今年の春から夏ごろにかけて、「コミュニティ」についていろいろ試行錯誤を考えていた時に読んだ本です。読書をしたのが7月末から8月初旬でした。ちょうど運よく、8月下旬に著者の山崎亮氏の話を直接聞く機会もありました。山崎さんの話は大変な感銘を受けたものです。


本書は今のところ、2013年に読了した本の中で一押しの本です。山崎さん自らも携わった16個のコミュニティの実例を用いて紹介されています。山崎さん自身は、もともと建築士ですが、設計の対象が建築物から徐々にはみ出し、コミュニティへと広がっていきました。


従来、行政の建築というと「箱物だけ作って魂入らず」と揶揄されたものです。作った後は閑古鳥が鳴くというようなことがたびたび起こります。山崎さんは設計の主軸を、建物からその後の人々の利用シーンに移します。


人々が集い利用し続ける場の設計、コミュニティの設計に主眼が置かれていくようになります。新規開園後、年々利用者が増加していく県立公園、過疎の島での島民たちが気づかなかった島の観光価値の定義、地方都市の老朽デパートの再生。コミュニティを巻き込んでいくことにより、実行可能になっていきました。


community コミュニティ

photo credit: Nooku via photopin cc


パークマネジメント:人の集まる公園を創る


ひとつ例に挙げようと思います。山崎さんが手がけている公共プロジェクトには、いくつか公園の設計がありました。本書でも一つ目の事例は「有馬富士公園」です。


「美術館・博物館には館長がいるのに、なぜ公園には園長がいないのだろうか?」 「公園はなぜ10年もしないうちにほとんど人がいない寂しい場所になってしまうのか?」といった素朴な疑問を持ったとのことです。一方で、にぎわっている公園の象徴的な存在は、ディズニーランドです。


ディズニーランドには、管理者:キャスト:ゲストという三層の関係があります。管理者は実際にゲストの前に出ることはありません。裏方です。キャストの創意工夫でもって、ゲストをもてなしています。しかし、通常の公園は、管理者は行政によって定められているかもしれませんが、ゲストをもてなすようなキャストの存在がありません。


有馬富士公園では、ディズニーランドを模倣し、キャスト相当の機能を設けます。プログラムを提供するキャストも、プログラムを教授するゲストも、ともに公園を利用して楽しんでいる人たちだと考えることにした。有馬富士公園には、パークセンターという建物があります。屋外の催しのみならず、本来、公園とは関係のないパソコン教室や演奏会なども誘致することにより、「人が集まる」環境を整えていきました。結果的に、来園者数は2001年から2009年にかけて3倍になったとのことです。


目次&取り上げられた事例

Part1 「つくらない」デザインとの出会い

 有馬富士公園(兵庫 1999-2007)

 あそびの王国(兵庫 2001-2004)

 ユニセフパークプロジェクト(兵庫 2001-2007)

Part2 つくるのをやめると、人が見えてきた

 堺市環濠地区でのフィールドワーク(大阪 2001-2004)

 ランドスケープエクスプローラー(大阪 2003-2006)

 千里リハビリテーション病院(大阪 2006-2007)

Part3 コミュニティデザインー人と人をつなげる仕事

 いえしまプロジェクト(兵庫2002-)

 海士町総合振興計画(島根2007-)

 笠岡諸島子供総合振興計画(岡山 2009-)

Part4 まだまだ状況は好転させられる

 余野川ダムプロジェクト(大阪2007-2009)

 マンション建設プロジェクト(2010)

Part5 モノやお金に価値を見出せない時代に何を求めるのか

 泉佐野丘陵緑地(大阪2007-)

 マルヤガーデンズ(鹿児島2010-)

 水都大阪2009と土祭(大阪・栃木 2009)

Part6 ソーシャルデザインーコミュニティの力が課題を解決する

 穂積製作所プロジェクト (三重2007-)

 +designプロジェクト(2008-)


本書の関連リンク




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