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連続で世界史の本を読んでいます。



そして今回、出口氏の上下巻にのぼる大著。


要点1:全世界史

本書の要点は2つ。1つ目は、本書のタイトルについている「全」の意味するところ。まさに「全世界史」です。これは従来の「世界史」がヨーロッパ史と中国史中心の歴史であるのに対し、本書はユーラシア大陸全体を扱っている点が特徴的です。ヨーロッパ・中近東と中国の間に挟まれた中央アジアやイランの王朝が何度も出てきます。名前を覚えきれません(笑)。



それら王朝の首都だったところは、現代も世界遺産になっているところがあります。特に二つの都市には魅せられます。


ウズベキスタンの古都・サマルカンド
ティリャー・コリーモスクマドラサ
photo credit : Jean-Pierre Dalbéra
via サマルカンド - Wikipedia(ウズベキスタン)(license : CC BY)


イランの古都・エスファハーン
イマームの広場
photo credit : Arad Mojtahedi via イマーム広場 - Wikipedia
(イラン・エスファハーン)(license : CC BY-SA)


要点2:宗教の寛容性

2つ目の要点は、宗教の寛容性。これまでもイスラム関連の本をたくさん読んできましたが、キリスト教よりも後発のイスラムのほうが寛容であると、確信にいたりました。キリスト教が、十字軍遠征やスペインのレコンキスタに象徴されるように、異教徒に不寛容であったのに対し、イスラムは北アフリカから中近東、インド、東南アジア、中央アジアへと広がりを見せています。


ローマ帝国がキリスト教を受容する過程でギリシャの神々を否定し、焚書をしたのに対し、ギリシャ神話・ギリシャ哲学は、ササン朝ペルシャを経てイスラムに継承され、8世紀に起こったアッバース朝(イスラム帝国)は世界最先端に立ちました。


また、15世紀末にレコンキスタ(イベリア半島からのイスラム追放)を完成させたスペインは、その後、ユダヤ教やプロテスタントも追放します。逃れていった先がオランダです。そもそも、カトリックは神父を通じて聖書に触れていたのに対し、プロテスタントは自ら聖書を読んだ人たちなわけで、知識階級に多かったと言えます。プロテスタントを追放するということは、知識階級を追放するに等しかったわけです。大航海時代を先んじたポルトガル・スペインが、プロテスタント国のオランダとイギリスに敗れた理由が、これでしっかりと腹落ちがしました。


本書は5月22日の朝活読書サロンで紹介しました。


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<第1巻目次>
  • まえがき
  • 前史 人類が文字を発明するまで
  • <第1部 第一千年紀―第二千年紀>
    • 1章 文字の誕生と最初の文明 (BC3000―BC2001)
    • 2章 チャリオットによる軍事革命 (BC2000―BC1501)
    • 3章 黄河文明の登場とBC1200年のカタストロフ (BC1500―1001)
  • <第2部 第三千年紀>
    • 1章 世界帝国の時代 (BC1000―BC1)
    • 2章 知の爆発の時代 (BC1000―BC1)
  • <第3部 第四千年紀>
    • 1章 漢とローマ帝国から拓跋帝国とフランク王国へ (AD元年―500)
    • 2章 一神教革命の成就 (501―700)
    • 3章 ムハンマドなくしてシャルルマーニュなし (701―800)
    • 4章 イスラムの大翻訳運動とヴァイキングの活躍 (801―900)
    • 5章 唐宋革命とイスラム帝国の分裂 (901―1000)
  • <第4部 第五千年紀前半>
    • 1章 ユーラシアの温暖化と商業の隆盛 (1001―1100)
    • 2章 中世の春 (1101―1200)
    • 3章 パクス・モンゴリア (1201―1300)
    • 4章 寒冷化とペストの時代 (1301―1400)
<第2巻目次>
  • <第4部 第五千年紀前半(承前)>
    • 5章 クアトロチェント (1401―1500)
  • <第5部 第五千年紀後半>
    • 1章 アジアの四大帝国と宗教改革、そして新大陸の時代 (1501―1600)
    • 2章 アジアの四大帝国が極大化、ヨーロッパにはルイ14世が君臨 (1601―1700)
    • 3章 産業革命とフランス革命の世紀 (1701―1800)
    • 4章 ヨーロッパが初めて世界の覇権を握る (1801―1900)
    • 5章 二つの世界大戦 (1901―1945)
    • 6章 冷戦の時代 (1945―2000)
  • 終章 どしゃ降りの雨で始まった第六千年紀


関連リンク


「世界史」で検索すると、いくつかの解説サイトが見つかります。



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