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大人の迷子たち
岩崎 俊一
廣済堂出版 ( 2014-10-10 )
ISBN: 9784331518786

「きたえた翼は、強い」(全日空)、「21世紀に間に合いました。」(トヨタプリウス)、「美しい50歳がふえると、日本は変わると思う。」(資生堂アクテアハート)、「やがて、いのちに変わるもの。」(ミツカン)、「年賀状は、贈り物だと思う。」(日本郵便)などのコピーで知られる広告業界の第一人者、岩崎氏が東急線沿線で配られているフリーペーパー「SALUS」(発行20万部以上)で連載していた人気エッセイ「大人の迷子たち」の書籍化。何度でも読み返したくなる、珠玉のエッセイ集です。

(本書の内容紹介より)



私の営業の師匠筋にあたる人が、若かりし頃10年間コピーライターを務めていました。物事への名前付けが実に絶妙でした。どうしてそんな名前が閃くのだろう。おそらくコピーライターという経歴の性なのだろうと思います。そう思うようになってから、コピーライターの方の本を見つけては読むようになりました。


本書を知ったきっかけは、3月24日の朝活読書サロンのチーママことみずほさんの結果報告のブログ記事です。この日は参加したものの、8時からの会議を設定してしまったため、自分の本を紹介して、早々に退散してしまいました。ですので、直接紹介を受けたわけではありませんが、みずほさんのブログ記事で気になったので読んだ次第。読書日記人気ランキング



本書は49のエッセイから成ります。
1つのエッセイは、タイトル1ページに対し本文3ページ。
そのうち気に入ったエッセイが9つです。

  • 第六話 最後の言葉は、さようならではなく、ごちそうさまだった。
  • 第九話 孤独がくれた想像の翼。
  • 第十話 子どもは、悲しみを食べて成長する。
  • 第二十七話 自分の子が生まれたことにも気づかない生き物。それが男である。
  • 第三十二話 買って貰えないものは、勝って、貰うしかない。
  • 第三十八話 父よ、息子の非礼を許したまえ。
  • 第四十三話 本当のことは、ぜんぶつながっている。
  • 第四十四話 不幸な体験は、ある日、財産に変わっている。
  • 第四十五話 僕はいつか、各駅停車に乗り換えていた。
  • 第四十八話 視点をずらせば新しい風景が見える。


タイトルだけ見ても何だかよく分からないところもありますが、この中で第四十三話と第四十八話が、コピーライターという職業の神髄を表しているように思いますので、引用します。


第四十三話 本当のことは、ぜんぶつながっている。

(『博士の愛した数式』)「そう、まさに発見だ。発明じゃない。自分が生まれるずっと以前から、誰にも気づかれずそこに存在している定理を、掘り起こすんだ。神の手帖にだけ記されている真理を、一行ずつ、書き写してゆくようなものだ。」

恐縮の極みだが、これは僕がコピーの書きかたについて、考えていたことと寸分違わない。すなわち「コピーは作るものではなく、見つけるものだ」とことあるごとに話し、書いてもきた。

(中略)

とある仏教の入門書にこんな一節が出てきた。

「私は真理の法を発明したのではない。発見したのだ。だから私が現れようが現れまいが、この法は存在したのだ」

こう話したのは、誰あろうお釈迦様である。

(中略)

(岡林信康さん)「この頃、僕が歌を作っているのではなく、歌が僕という道具を使っている気がする」 (P176)

第四十八話 視点をずらせば新しい風景が見える。

勘のいい読者はお気づきであろう。

人と違う考え方を発見できる最も手っ取り早い方法は、世の常識とか通念の逆を考える事だ。すなわちこの例題で言えば「どんな時にも、私たちはまず子どもの幸せを第一に考えるべきだ」という正論を、「大切なのは大人の幸せだ。大人が幸せになってこそ、子どもも幸せになれるし、大人になる事に憧れる」と考えてみる。 (P196)


そうだったのか。


コピーを書くというのは、こういうことになります。

  • 発見すること。決して自分が発明するのではない。
  • 常識をひっくり返してみること。


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