一昨日(12月21日)から『永遠の0』の映画が公開されましたね。読書記録をつけだしてから泣けた本として登録した本は7冊あるのですが、その一冊が『永遠の0』です。



この本はいろんな読み方、いろんなテーマを複合的に与えてくれるのではないかと思います。強いていえば、以下の3つではないかと思います。


  • 家族愛
  • 反戦
  • 組織論


すでに何百万人という方が本書を読まれていますので、通り一辺倒の書評はやめておきます。「組織論」というのは「えっ?」と思われる方もいるかもしれませんが、「家族愛」、「反戦」と同様に「組織論」をテーマにした本だと考えており、後述する『失敗の本質』と合わせて読むと、その深みが理解できるのではないかと思います。


主題歌:サザンオールスターズ - 蛍


百田氏のツイートと、百田氏へのツイート


百田尚樹氏のツイートはいつも楽しく拝読していますが、女性の方はフォローするのは要注意です。『永遠の0』や『海賊とよばれた男』という硬派な作品の著作者とは思えないほど、放送禁止用語の変態ツイートが炸裂させています。とある、読書仲間の女性たちにそのことを話したら、大笑いされてしまいましたが・・・



百田氏に寄せられるツイートには、作品を読まずに『永遠の0』を特攻賛美の作品と取り違え、百田氏を軍国主義者と勘違いしているツイートが散見します。相手を知らずして批判するとは、滑稽と言わざるをえません。


もし『永遠の0』を読まずにそう批判される方がいましたら、本を読まない浅はかな人間だと思われないためにも、まずは本書をお読みになるか、少なくとも知らないことについて批判するのは止めたほうがよいです。


読めば分かりますが、『永遠の0』は反戦小説です。特攻という非人間的で愚かな作戦が行われたことを、あらためて世に問うたという点で、私は評価しています。


本書が評価される理由


たとえば、『永遠の0』には、「桜花」なる兵器がでてきます。「桜花」をご存知ですか?私は『永遠の0』を読むまで、「桜花」を知りませんでした。「桜花」についてはWikipediaを参照ください。



「桜花」は特攻専用航空機です。エンジンを搭載せずに爆弾のみ搭載した飛行機です。一式陸上攻撃機という大型の飛行機で上空に運び上げられた後、上空で切り離され、自由滑空で敵戦艦に特攻していきました。命中確率は低いでしょうし、途中で打ち落とされもしたでしょう。帰路のない特攻専用機に乗せさせられた兵員たちの気持ちはいくばくのものだったのでしょうか?


このような投げかけをしたことが、本書が評価されるゆえんだと思います。


ソロモン諸島上空を飛行する零戦二二型(A6M3)

零戦二二型

出典:Wikipedia この画像は著作権の保護期間が満了しています。


組織論としての『永遠の0』


特攻とは、どう考えても愚かな作戦としか言いようがありません。現代と当時では人の命の重さが違ったと言えばそれまでなのですが、人命云々を除いてみても、特攻は決して命中確率が高いわけではなく、戦術的に誤った戦法と言えます。


日本の敗戦は単に米国との工業力・軍事力の差だけではありません。日露戦争においては、GDPではるかに上回るロシアを日本は下しました。太平洋戦争における日米の差はなんだだったのかというと、組織学習能力の差ではないでしょうか?


「賢者は歴史に学び、愚者は経験から学ぶ」と言われます。4年の戦争期間中に、米国軍は各緒戦を学習し急速に能力を向上していったのに対し、日本軍は各緒戦を分析することなく同じ過ちを繰り返していきました。戦争前半で華々しい結果を残した零戦が、後半ことごとく打ち落とされてしまったのはその証拠です。


日本軍の硬直性・組織学習能力の欠如は、野中郁次郎氏らがまとめたベストセラー『失敗の本質』を読んでも明らかです。悲しいかな、この失敗の本質は、2000年以降のさまざまな企業不祥事・リストラ劇を見ていると、現在も多くの日本企業が引きずっているように見えます。


『永遠の0』を読んでいる最中、まっさきに思い出したのが『失敗の本質』です。ビジネスパーソンとして、組織を失敗させないためにも、『永遠の0』と『失敗の本質』、この二冊を読み合わせるといいのではないでしょうか?


失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一, 寺本 義也, 鎌田 伸一,
杉之尾 孝生, 村井 友秀, 野中 郁次郎
中央公論社 ( 1991-08 )
ISBN: 9784122018334


関連書籍


実はまだ上巻しか読んでおりませんが、百田氏の『海賊とよばれた男』にも『永遠の0』と同じメッセージ性を感じます。



戦争時に残された家族の置かれた状況がよく分かる本です。この本も泣けてしまいました。



今年の夏は、スタジオジブリの映画『風立ちぬ』を観ました。映画公開後に元々別々の二つのストーリーだったものが一冊の本となって出版されたようです。まだ読んでいませんが、読んでみたいです。




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