私は女性の労働問題に甚だ関心を持っています。その理由は、私が四人の娘の父親であることと無縁ではありません。娘たちが将来社会に出た時、労働環境は一体どうなっているだろうか、ということは、無関心ではいられません。


安倍内閣が女性活用を提唱しています。しかし、女性が男性並みに働きかつ子どもを持つというのは、どこか無理があると、常々考えておりました。なぜそう思うのかよくわからなかったのですが、本書を読んで、見切りました。


はっきりと申します。


いわゆる「女性活用」は眉唾物です。その提唱の先に、女性にとってより好ましい未来はありません。


一般の企業で、女性が育児しながら男性並に働くのは無理です。いわゆる「マミートラック」というものがありますが、マミートラックが受け皿になるという考え方が誤りであることも、よくわかりました。


本書の分析では、日本の企業の育児労働者への支援制度はとても素晴らしく、他の欧米諸国と比べて全く遜色はないとのことです。つまり、問題は育児労働者(主に女性)への支援以前に、育児の必要のない社員(主に男性)の働き方そのものにメスを入れる必要があります。


欧米にあって日本にないもの、それは強制力のある残業規制です。欧米では、一日に11時間以上の非労働時間を取らなければいけないルールがあるとのこと。日本には、一日8時間勤務という枠組みはあるものの、残業は無制限にできてしまいます。


男性の働き方にメスを入れずに女性活用と言われましても。。。。全く問題をはき違えていないでしょうか。


極論すれば、男性の労働時間を、育児しながら働いている女性と同等あるいはわずかばかり上回る程度に削減する必要があります。仕事の量を減らすわけにはいきませんので、それには生産性をアップして対処するしかありません。


私の知る限り、外資系企業のほうが、男女平等の働き方ができているように見えます。そうした企業は、ことさら「女性活用」と言っていないように思います。そしておそらく、生産性の高い仕事をしているのだろうと推測します。


以上まとめると、女性が活躍できる社会を作るポイントは二段階。


生産性の向上、そして強制的な残業規制の導入です。


<目次>

はじめに

序章 日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?

第1章 女子という身分

 1 会社にとって女子とは?

 2 女工の時代

 3 女事務員の登場

 4 女子挺身隊と労組婦人部

 5 ビジネス・ガールとオフィス・レディ

 6 女子は若いのに限る

第2章 女房子供を養う賃金

 1 生活給思想と皇国勤労観

 2 生活給を世界が批判

 3 職務給シフトの試み

 4 労働組合は生活給が大好き

 5 正体不明の「知的熟練」

 6 日本独自の「同一価値労働」論

第3章 日本型男女平等のねじれ

 1 欧米ジョブ型社会の男女平等

 2 均等法を作った女たち

 3 日本型雇用・アズ・ナンバーワン

 4 「総合職」と「一般職」の登場

第4章 均等世代から育休世代へ

 1 女性総合職の本格化とOLビッグバン

 2 転勤と間接差別

 3 夫は「ワーク」、妻は「ライフ」の分業システム

 4 ワークライフバランスの逆説

 5 マミートラックこそノーマルトラック

終章 日本型雇用と女子の運命

あとがき


関連書籍

『働く女子の運命 (文春新書)』の中でもたびたび引用されて出てきます。



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