<目次>

はじめに

第一章 10kmの線路を歩くトップ

第二章 鉄道が心をつなぐ

第三章 昭和の鉄道屋の心

第四章 変わるのに換わらない風景

おわりに


7月に江ノ電に乗ったことがきっかけで読んでみようと思ったのがこの本です。以前、いすみ鉄道の本を読みましたが、その本にも通じるものがあります。鉄道経営とは何たるか、鉄道マンの心構え・プロ意識・矜持がわかります。


著者の深谷研二さんは、前江ノ島電鉄の社長だった方。新卒で小田急電鉄に新卒で就職し、土木を専門とし鉄道建設を志望していたのにも関わらず、配属されたのは鉄道の現場である保線でした。しかし、保線を担当することで、鉄道員としての使命、現地現場主義を培っていったことがよく分かります。


現地現場主義


そして、小田急電鉄から江ノ島電鉄の社長へ転出した後も、鉄道員としての矜持を忘れず、欠かさず線路を歩いて線路に異常がないかをその目で確認していきます。

江ノ電の経営を任された私は、

年末になると

必ず自社路線の全行程を、

自分で歩いて点検していました。

社長となっても、

一人の鉄道員の心で

働いてきたからです。

なぜ、そこまでするのか?

鉄道が安全かどうかは、書類を見ただけでは分かりません。自分の眼で見て脚で歩くことでしか、確かめることのできない側面が多々あります。線路に立ち、現場を自分で感じなければ鉄道の本当の安全は確かめられないというのが、長年の現場の技術者として働いてきた私の実感です。

では、なぜ自分で現場を歩かなければ安全は分からないのか。

そうお尋ねの人に、私はこうお答えしています。

「鉄道は生き物ですから」

鉄道は生きている。だから、人が自分の五感で直接確かめなければ事実が分からない。これが、40年にわたり現場を見てきた私の信念なのです。


鉄道は生き物


鉄道が生き物である所以は、本書で余すことなく書かれています。


  1. 線路は気温で伸縮すること。ゲージ幅がわずか数ミリずれても電車には致命傷になる。
  2. 線路の継ぎ目は線路・車輪の破損の原因になる。
  3. 踏み切りの警報機・遮断機の保守
  4. トンネルの壁の崩落
  5. 土砂崩れ危険性
  6. 海岸線を走るため潮風に晒されて線路が錆びること
  7. 住宅地を縫って走るため、私的横断場があること
  8. 住宅地を縫って走るため、植木と接触すること
  9. かつて路面電車だったこともあり道路と共用部分があること


1から5は、鉄道事業者共通ですが、6から9は、海岸線を走る、住宅地を縫って走る、かつて路面電車だった江ノ電特有の事情です。


生き物だからこそ、日々の保線が欠かせません。

昨日安全だったからと言って、今日も安全だとは限りません。


経営トップがその心構えを忘れずにいることが、鉄道経営、会社経営で、とても大事なことに思います。


今、巷では、三井不動産レジデンシャルが分譲したマンションの杭のデータ改ざん問題で揺れています。現場不在の経営がなされていたのではないかという気がします。


関連リンク


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