FILTERING


インターネットで最も便利のサイトといえば、GoogleやAmazon。使い勝手がいいのは、とどのつまり、フィルタリングが機能しているからです。インターネットは、情報が多すぎます。もはや、フィルター機能無しに、必要な情報にアクセスできなくなったとも言えます。


潤沢さに人間の規模感でアクセスするためには、毎日さらに幅を拡げたフィルターが必要になっていく。もはやフィルタリングから身を引くことはできない。フィルターの欠点は、フィルターを除去することでは元に戻せない。フィルターの欠点は、それを相殺する他のフィルターを適用して直していくしかないのだ。 (P234)


本書では、8つのフィルタリングがあるといいます。

フィルタリングの種類
  • ゲートキーパー
  • 仲介者
  • キュレーター
  • ブランド
  • 政府
  • 文化的環境
  • 友人
  • われわれ


information overload

考察:価値観の多様化と問われる能力


本書ではほとんど触れられていませんが、フィルター作用は誰にでも均質ではなく、個別的だということ。個々人によってパーソナライズされています。私の摂取する情報とあなたの摂取する情報は同じとは限らない。つまり、コモンセンス・共通認識が成り立たなくなりつつあります。端的な表れが、新聞を読まない、テレビを見ない人の増加です。私も新聞を読まないし、テレビをほとんど見ません。一方で、共通認識の喪失は、価値観の多様性を産みます。


ということは、とりもなおさず、共通の価値観を持たない人との相互理解に一層の努力が必要ということになります。少なくともビジネスシーンではそうなります。傾聴力、コミュニケーション力、論理力(相手の話を聴いて論理的に構成しなおすことのできる力)が必要になります。


また、上司が部下に自らの価値観を押し付けることもできません。それを行うと、パワハラ・ブラック企業という誹りを受けることになります。にもかかわらず、パワハラ上司・ブラック企業が減らないのは、このパラダイムシフトに対する無理解・軽視が原因ではないでしょうか。


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情報摂取の価値

本書では、情報摂取を金銭的価値に置き換えています。時間単価は以下の通り。


  • テレビ:20セント
  • 新聞:93セント
  • インターネット:360セント
  • 読書:534セント


最も視聴者が多いが受動的なテレビは最も価値が低く、ついでに新聞、そして、能動的に情報を取りに行くインターネットは価値が高く、さらに読書は高いということになります。ハードカバー(20ドル)を4時間かけて読むイメージです。


ちなみに、本書の定価は2000円で、読むのに10時間ぐらいかかりますので、1時間当り200円。コストパフォーマンスが非常によいことになります。


面白いことが一つ書かれていました。「メールを送りつけるのは、読み手が負担するべき」というもの。


20年前に彼女(エスター・ダイソン)は、受け手がメールを読んだらその送り手に課金できるシステムを提案した。 (P247)


まったく賛同します。


REMIXING


非破壊編集と創造性

続いて、第8章はリミックスについて。著作権云々という話題もありますが、Wikipediaなどの履歴機能(非破壊編集)が創造性を後押しするという論説は、納得いきました。


フォトショップやイラストレーターといった、一般消費者向けソフトの中でも最も複雑な部類のものは、「非破壊編集」を採用している。これは、どれだけ変更を重ねても、作業のどの時点にでもいつでも遡ってそこから再開できる機能だ。ウィキペディアが優れているのはやはり非破壊編集を採用しているところで、以前のすべての版がそのままずっと残っており、どの読者も過去のどの地点へも遡れる。このやり直し機能が創造性を刺激しているのだ。 (P272)


財産の譲渡 vs. アイデアの譲渡

アイデアは守られるべき権利、財産か否かという点について、本書ではNOと言います。財産は譲渡によって失われますが、アイデアは譲渡によって2倍になります。


1813年にトーマス・ジェファーソンは、アイデアとは本当は財産ではなく、あるいは財産だとしても不動産のようなものではないことを理解していた。彼は「私からアイデアを受け取る者は、私のアイデアを減じることなく、それを受け取る。私のロウソクから火を受け取る者は、私の火を消してしまわないのと同じように」と書いている。 (P274)


つづく。


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